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【IRから読み解く】大塚商会 DX推進における顧客の課題解決に注力

【IRから読み解く】大塚商会 DX推進における顧客の課題解決に注力

2023.2.24

  • 決算・IR情報

  • 大手企業

パートナー戦略において、協業先のIR資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、株式会社大塚商会の2022年度12月期の決算資料から動向を読み解きます。

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▼参考資料
株式会社大塚商会 統合報告書 2022
株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明資料
株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信
株式会社大塚商会 ホームページ

目次

1.株式会社大塚商会のビジネス概要

株式会社大塚商会は、システムインテグレーション事業とサービス&サポート事業を展開しています。サービス&サポート事業では、システム導入後のサポートとして、オフィス用品通販サービス「たのめーる」や企業における総務、人事、経理、情報システムなどの効率化サービス「たよれーる」を展開しています。

「オフィスまるごと」をコンセプトに掲げ、オフィス関連機器の開発から販売、その後のサポートまで、一気通貫で価値提供ができる体制を構築しています。

IT流通のプラットフォーマーとしての役割にも注力しています。

対ベンダーの観点では、国内・海外のベンチャー企業から大企業まで、様々な企業の製品販売に取り組んでおり、取り扱いメーカー数は約2,400社です。サイボウズ株式会社、ZVC japan株式会社など、多くの大手ベンダー企業のパートナーアワードにて受賞歴があり、強い販売力を持っていることがわかります。

対エンドユーザーの観点では、約28.7万社と多くの顧客基盤を持っており、そのうち80%が年商10億円の中堅企業の顧客を多く抱えていることが特徴です。顧客の売上構成比としては、割合が高い順に、サービス業、製造業、卸売業、と続いています。

事業系統図は上記の通りです。連結子会社としてソフトウェア開発会社「株式会社OSK」やITディストリビューターの「株式会社ネットワールド」、システムインテグレーション事業を展開する「株式会社アルファネット」、パソコンの保守などの事業を展開する「株式会社アルファテクノ」と連携し、それぞれのリソースを補い合っています。

また、組織図を読み解くと、営業本部の中でも「第一中央営業部」や「第二中央営業部」、各エリア営業部を構える直販営業に加え、「ビジネスパートナー事業部」といったパートナー販売・アライアンスを担当する部署があることがわかります。

パートナー企業募集ページにおいては、特にコンサルティング企業と金融機関の募集に注力しています。株式会社大塚商会は持ち前の取り扱い商材数を活かした幅広い提案・支援が可能であることから、経営戦略支援を行うコンサルティング企業や金融機関は相性のよいパートナー企業になるでしょう。

2.2022年度の業績

次に2022年度の業績について読み解きます。2022年度12月期の期首から新しい会計基準を適用したため、当期売上高は265億円が減った数字で表記されていることに注意しましょう。

まずは、2022年12月期の決算概要です。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益の全てで計画値を達成しています。

2021年度に文部科学省が推進する『GIGAスクール構想』によりPC導入が増加した影響もあり、新たな会計基準の適用によるマイナス336億円の影響を合わせても、前年比1.1%の増加となりました。

上記が売上高・利益の状況です。2022年12月期は、8610億円と表記されていますが、前年期の会計基準を適用した場合は、約8975億円となり、大幅に伸びています。

2019年12月期は、「Windows 7」の延長サポートが終了し「Windows10」移行が進んだことから、導入需要が増えたとされています。2022年はその年の売上高8865億円を上回っていることから、業績は順調であることがわかります。(株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信より

上記は、システムインテグレーション(SI)事業とサービス&サポート(S&C)事業のセグメント別の売上高です。

システムインテグレーション(SI)事業は3.4%増の5416億円、サービス&サポート事業が2.7%減の3193億円となっています。会計基準の影響もあり、サービス&サポート事業の減収も見受けられます。しかし、コロナ禍で減収したコピー保守が0.1%の増収であることから、代表の大塚氏は「明るい兆し」だと述べています。(株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信より

また、2022年12月期から新規で「一口座あたりの売上増減率」の指標を追っています。背景としては、リーマン・ショックの不況において一口座あたりの売上増減率が大幅に下がっていたことから、市場感を捉える重要な指標であると捉えたことが挙げられています。

4月以降から前月比を上回りはじめ、年末は高い数値が出ています。理由としては、市況が良くなってきたことに加えて、顧客とのリレーション強化により追加販売が増加したことが挙げられています。

数字が伸長している理由としては、機器単体での販売では売上高の歩留まりを感じていたため、「オフィスまるごと」のコンセプトの元、顧客課題に合わせて様々なソリューションを提案する営業方針にシフトしたことだと述べられています。それに伴い、営業のマネジメント改革や労働分配率の見直しを行った結果、少しずつ数字が伸びてきているようです。(株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信より

3.重点事業の動向

ここからは、株式会社大塚商会の主力ビジネスについての動向を読み解きます。上記は、「オフィスまるごと」をコンセプトとし、取り扱っている機器の一部です。

代表の大塚氏は、約29万社と取引をしている中で、単品機器だけの取引が3分の2を占めている状況に危機感を感じていると述べています。オフィス関連機器であれば、顧客から相談が来るような営業体制を整えることを今後の方針として掲げています。(株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信より

また、重点戦略事業として「たのめーる」、オリジナル統合業務ソフト製品「SMILE」、ナレッジマネジメントシステム「ODS」、セキュリティビジネス「OSM」を挙げています。それぞれ売上高としては上記の通りで、前年より増加しています。

上記は「たのめーる」の売上推移です。2022年は前年比5.6%増であり、年々順調に新調しています。生活用品やコロナ感染症予防対策の製品、介護や工具など、幅広い製品を取り扱っていることが理由だと述べています。

また、複写機、パソコンの販売台数は共に一時落ち込んでいますが、第4四半期では回復しています。先述の通り、製品単体で販売するだけでなく、顧客課題に寄り添い他製品と組み合わせて販売活動を行った成果であるようです。

テレワークの増加の後押しで、Webサービス(ASP)の利用者も大幅に増えています。具体的な利用内容としては、「たよれーる」のOffice365やMicrosoftのクラウドサービスであると述べています。また、データ共有におけるクラウドサービス「どこでもキャビネット」が26.4万人と堅調に伸びているようです。(株式会社大塚商会 2022年12月期 決算説明会の動画配信より

4.2023年度の動き

ここからは、2023年の展望について読み解きます。基本方針と中期経営計画は上記の通りです。営業利益率・経常利益率ともに7%定着を目指しています。2023年度12月機の連結売上高としては、9010億円と前年比4.6%増加を目指しています。

また、「お客様に寄り添い、まるごとDXで共に成長する」をスローガンに掲げ、株式会社大塚商会が保有するDXノウハウと取り扱う商材数を強みに、幅広くDXソリューションの提案を行っていくことが述べられています。

重点的な取り組みとして、AI活用により自社の営業活動を支援することを置いています。営業が顧客課題に対しての仮説を立て、適切なソリューションを提案する販売体制の強化を図っており、「物売り」ではなく「ソリューション提案」に営業手法がシフトしていると考えられます。

経営統合書によれば、企業だけでなく自治体のDX推進も支援していくと述べられています。

また、週刊BCN+のインタビューで代表の大塚氏が下記と回答していることから、インボイス制度や改正電子帳簿保存法などの、市場トレンドにあわせたDXソリューションを提案していくことがわかります。

――23年に注力する商材や取り組みは。

10月のインボイス制度や、改正電子帳簿保存法への対応でやらなければならないことはあるし、それらに関係するネットワークや回線の部分を、しっかり押さえたいとの思いもある。最終的に日本の中小企業のデジタル化が進み、各企業が少しでも元気になるように、幅広い商材でしっかりとお手伝いしていきたい。

今後も、強力な開発基盤や販売力を活かし、DX推進のためのソリューション提案に注力していくことが考えられます。

5.まとめ

株式会社大塚商会は、PCや複合機の需要・供給が不安定な市況感の中でも、製品を単体で販売するだけでなく顧客課題に適した製品を組み合わせたソリューションを提案することで、売上を伸ばしています。

今後も、企業のDXを軸に、インボイス制度や改正電子帳簿保存法などの動向変化から、顧客課題に適したソリューション販売を推進していくことが期待されます。

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