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【IRから読み解く】リコージャパン オフィス機器販売からデジタルサービスの提案へ変革

【IRから読み解く】リコージャパン オフィス機器販売からデジタルサービスの提案へ変革

2023.3.3

  • 決算・IR情報

  • 大手企業

パートナー戦略において、協業先のIR資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、リコージャパン株式会社の2022年の動向と今後の展望を各種資料から読み解きます。

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1.リコージャパン株式会社概要

リコージャパン株式会社についてご紹介するにあたり、まずは親会社の株式会社リコーの事業内容についてご紹介します。

株式会社リコーは、顧客の”はたらく”に寄り添ったサービスやデジタル技術・デバイスを提供しています。2021年4月1日より社内カンパニー制を導入し、事業を下記のセグメントに分けて展開しています。

・オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」
・オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」
・商用印刷・産業印刷サービスを提供する「リコーグラフィックコミュニケーションズ」
・サーマル・産業プロダクツの製造・販売を行う「リコーインダストリアルソリューションズ」
・社会問題解決の新規事業を創出する「リコーフューチャーズ」
参考:株式会社リコー 事業分野

約7,900人の営業担当者と約1,300人のシステムエンジニアを抱え、営業所数は366拠点と、強力な販売・開発基盤を持っています。また、A3レーザーMFP・コピー機の出荷台数は2位と高いシェア率を誇っています。

また、リコーグループ全体の方針として、2020年に「デジタルサービス会社への変革」をビジョンとして掲げ、デジタルサービス中心とした事業構造への変革を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

株式会社リコージャパンにおいても、2017年度と2021年度の売上の構成の変遷としては、オフィスプリンティング事業が減少し、オフィスサービス事業が増加しています。

リコーグループは「デジタルサービス会社への変革」に伴い、国内の販売・サポート部門を担うリコージャパン株式会社も、主力製品である複合機などの機器(モノ)から、企業の経営課題を解決する提案(コト)を中心とするビジネスモデルへの変革を行っていることがわかります。(リコージャパン株式会社 サステナビリティレポートより)

そういった中で、株式会社リコージャパンは2020年6月より「RICOH Digital Processing Service」を提供しています。スクラムシリーズ(中小企業向けに既存アプリケーションと開発アプリケーションを組み合わせた「スクラムパッケージ」や、中堅企業向けに個別のシステム構築まで行う「スクラムアセット」を含む)により、主にバックオフィス領域での顧客課題に合わせたソリューション提供を行っています。

2.2022年はバックオフィスのソリューション提供に注力

まずは、業績について読み解きます。上記は、左から順に2020年・2021年・2022年の決算公告です。2022年の売上高は6041億3200万円と前年比11.7%減、営業利益は48億6700万円 と前年比40.96%減であることから、売上と利益ともに右肩下がりであることがわかります。(官報決算データベースより)

決算の内訳を親会社の株式会社リコーの2022年度第3四半期決算から読み解きます。リコーデジタルサービス内のオフィスサービスの日本での売上高は2,079億円と前年比約2.4%増加しています。

その中でも、注力事業であるスクラムシリーズは、2022年度の累計売上が636億円と前年比20%増加しており、順調に伸びていることがわかります。また、サイボウズ株式会社の「kintone」とリコーの共創プラットフォーム「RICOH Smart Integration(以降RSI)」を連携させた「RICOH kintone plus」においても着実に案件が獲得できています。(株式会社リコー 2022年度第3四半期決算

一方で、リコーデジタルサービス内のオフィスプリンティングにおいては、ハード・ノンハード共に回復していますが、2019年と比較し減少しています。これまで注力していたオフィスプリンティング事業が、テレワークの増加などの影響により減収していることから、リコージャパン株式会社全体としての売上は減少していることが読み取れます。(株式会社リコー 2022年度第3四半期決算

また、2022年は様々なパートナーアワードで表彰されており、2022年には5つの章を獲得していることから、大手ベンダーからの評価が高い販売実績であることがわかります。

5月:株式会社サイボウズ「CYBOZU AWARD 2022」セールス部門賞及びエリア賞2部門受賞
7月:マイクロソフト ジャパン「パートナーオブ ザ イヤー 2022」受賞
8月:トレンドマイクロ株式会社「TREND MICRO Partner Award 2021」SaaSセキュリティ部門を受賞
10月:株式会社J.D.パワー「顧客満⾜度調査2022年」IT関連2分野で8年連続第一位の評価
11月:ZVC japan株式会社「2022 Zoom Partner Awards」セールス部門の「Japan Regional Partner Award」 およびマーケティング部門の「Japan Partner Marketing Impact Award」を受賞

組織体制としても変化があり、2022年4月1日付で取締役コーポレート専務執行役員の大山晃氏が代表取締役社長執行役員・CEO(最高経営責任者)に就任し、6年ぶりの代表交代となりました。

大山氏の経歴を読み解くと、海外事業の経験が長いことがわかります。その経験を活かした経営戦略により、グローバルを視野に入れた戦略を強化していくことが考えられます。(リコージャパン株式会社 ニュースリリースより)
参考:株式会社リコー 役員一覧

3.今後の展望

今後の展望として、リコーグループ全体の目標は上記の通りです。3つのテーマを定めており、サステナビリティ/ESGでトップレベルの評価、事業視点ではデジタルサービスの会社としての認知拡大、財務視点ではROE(自己資本利益率)10%超えの継続をめざしています。

親会社の株式会社リコーの2022年度第3四半期決算では、今後の展望として「2025年度までにデジタルサービスの売上構成比 60%超を目指す」ことを掲げています。

また、代表の木村氏はZD NETのインタビュー内で下記と述べていたことから、今後もオフィスサービス事業、そのなかでもスクラムシリーズを強化していくことが読み取れます。

スクラムシリーズの売り上げは800億円弱になる。木村氏は「早く4桁にしたい」と市場開拓の強化に向けた新たな戦略を練っている。1万2000人の営業担当者と1300人のSEらを生かし、年率10%超で伸ばせば目標は達成できる。営業が売りやすく、かつ顧客が求めるモデルの品ぞろえにかかっている。

上記は、株式会社リコーのIR資料室内のFAQでの回答です。電子帳簿保存法改正、インボイス制度など、今後も新たな法改正対応やお客様の需要を先取りし対応したソリューションを展開することで、スクラムパッケージの拡販に注力していくことが読み取れます。

4.まとめ

リコージャパン株式会社は、大手SIerが手を伸ばしづらい中小企業市場へ、複合機販売で築いた販路を活用しDX支援を行っています。

今後も、企業のDXを軸に、市場の動向変化を先取りし、顧客課題に適したソリューション販売を推進していくことが期待されます。

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