【決算速報】キヤノンマーケティングジャパン 2023年第1四半期は営業利益・経常利益が過去最高を更新 業績やニュースリリースまとめ
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代理店販売の戦略において、協業先の決算資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、2023年第1四半期決算資料(2023年4月25日発表)より、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の動向と今後の展望を読み解きます。

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▼2023年4月25日発表 決算資料一覧
2023年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2023年第1四半期 決算説明
【補足資料】2023年1Q主要製品売上・台数

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、キヤノングループにおいて主に販売とシステムサポートの役割を担う企業です。日本におけるキヤノンブランド製品の直販、卸売や修理などのサポートを行っています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

経営戦略として、顧客をセグメントに分けて4つの事業を展開しています。
具体的には、個人向けにインクジェットプリンター等を提供する「コンスーマー」や大手〜中堅企業向けに経営戦略課題解決のためのITソリューションを提供する「エンタープライズ」、中小企業向けに複数の販売チャネルを活かしてITソリューションを提供する「エリア」、専門領域の企業向けにソリューションを販売する「プロフェッショナル」に分類されます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)
参考:キヤノンマーケティングジャパングループ グループ会社・拠点一覧

また、上記がセグメントごとのキヤノンマーケティングジャパン株式会社の子会社一覧です。
法人向けのサービスを提供している企業の代表例として、エンタープライズセグメントではキヤノンITソリューションズ株式会社、エリアセグメントではキヤノンシステムアンドサポート株式会社が挙げられます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は全国170箇所のサービス拠点を持っています。キヤノングループの50年以上の歴史を活かし、大手企業から中小企業、個人まで幅広い販売網を持っていることを強みとしています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の2023年第1四半期の業績について解説します。ポイントとしては上記のとおりです。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
2023年12月期第1四半期決算短信に下記の記載があることから、アフターコロナの経済回復を背景に、企業のIT投資が活発化したことにより、SIサービスやITインフラサービスの業績が伸びているようです。
当第1四半期におけるわが国の経済は、ウィズコロナの下で緩やかに持ち直しの動きが続きました。個人消費は、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針変更に伴う旅行や外食の拡大、水際対策の緩和によるインバウンド消費の回復等により、持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資は、経済活動の正常化が進展することへの期待感等から、好調に推移しました。特にIT投資については、製造業や金融業で投資意欲が高い状態にあり、好調に推移しました。なお、ウクライナ情勢等によるエネルギーコストや原材料価格の上昇により、一部の企業で弱さが見られました。
このような経済環境のもと、当社グループは企業の積極的なIT投資を背景としたSIサービスやITインフラサービスの売上拡大、オフィスMFPの供給回復やレンズ交換式デジタルカメラの新製品が好調に推移したこと等に伴う売上拡大により、売上高は1,548億25百万円(前年同期比5.0%増)となりました。利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は152億85百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益は154億23百万円(前年同期比5.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は104億50百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

業績についてご紹介します。売上高は1,548億25百万円(前年同期比5.0%増)となりました。利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は152億85百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益は154億23百万円(前年同期比5.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は104億50百万円(前年同期比4.1%増)となりました。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
四半期の過去最高を更新しており、好調であることがわかります。

次に、セグメントごとの業績を読み解きます。それぞれの業績は下記のとおりです。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
●コンスーマ
売上高は、314億20百万円(前年同期比0.6%増)。
セグメント利益は、広告宣伝費等の販管費の増加により、29億21百万円(前年同期比6.6%減)。
●エンタープライズ
売上高は、546億51百万円(前年同期比 6.8%増)。
セグメント利益は、売上増加に伴う売上総利益の増加により、59億7百万円(前年同期比 10.1%増)。
●エリア
売上高は、610億23百万円(前年同期比6.8%増)。
セグメント利益は、売上増加に伴う売上総利益の増加により49億34百万円(前年同期比9.1%増)。
●プロフェッショナル
売上高は、117億25百万円(前年同期比8.4%減)。
セグメント利益は、売上減少に伴う売上総利益の減少により、19億25百万円(前年同期比12.1%減)。

ここからは、法人向けサービスにおいての業績の詳細を読み取ります。
まずは、エンタープライズセグメントです。売上高の内訳としては、主要ビジネス機器が147億円(前年同期比2%減)、ITソリューションが399億円(前年同期比10%増)です。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
下記、エンタープライズセグメントの業績についての2023年12月期第1四半期決算短信の抜粋です。
主要ビジネス機器については、製品の供給が回復したことにより、オフィスMFPの台数は増加しました。レーザープリンターについては、前年同期にあった大型案件の剥落により台数は減少しました。オフィスMFPの保守サービスについては、オフィスにおけるプリントボリュームが減少したものの、カラー出力比率が高まったことにより、売上は増加しました。レーザープリンターカートリッジについては、金融業向けが比較的堅調に推移したことにより、売上は増加しました。

ITソリューションについては、製造業向けや流通業向けのSI案件の売上が増加したことに加え、IT基盤に係る案件を複数獲得したこと、BPOやデータセンター2号棟の売上が順調に推移したこと等により、売上は大幅に増加しました。
次に、エリアセグメントにおける業績です。
売上高の内訳としては、ビジネス機器他が420億円(前年同期比6%増)、ITソリューションが190億円(前年同期比8%増)です。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
下記、エリアセグメントの業績についての2023年12月期第1四半期決算短信の抜粋です。
主要ビジネス機器については、製品の供給が回復したことにより、オフィスMFP、レーザープリンターの台数は大幅に増加しました。オフィスMFPの保守サービスについては、大都市圏を中心にテレワークが継続したことにより、オフィスにおけるプリントボリュームが減少したものの、カラー出力比率が高まったことにより、売上は微増となりました。一方、レーザープリンターカートリッジについては、価格改定を見据えた駆け込み需要の反動等により、売上は減少しました。
ITソリューションについては、ビジネスPCの供給が回復したことや、複数のIT基盤構築案件を獲得したことに加え、中小企業のIT環境をトータルで支援する「まかせてIT DXシリーズ」のラインアップを拡充し受注件数が増加したことで、売上は増加しました。

ITソリューション事業の業績を読み解きます。セグメントと事業の合計の売上としては695億円と前年比11%の増加となりました。
また、エンタープライズセグメント・エリアセグメントの売上高としても、「SIサービス」、「保守・運用サービス/アウトソーシング」、「ITプロダクト・システム販売」どの事業も前年比より増加しています。
企業のIT投資が盛んになったことにより、ITソリューション事業の売上が拡大していることがわかります。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
ここからは、2023年第1四半期(2023年1月〜3月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。
有償アプリケーションのインストールにより、映像制作用リモートカメラに機能を拡張する「アドオンアプリケーションズシステム」の提供を開始します。第一弾として、“自動追尾アプリケーション RA-AT001”と“自動ループアプリケーション RA-AL001”を2023年4月中旬より発売します。
詳細:
https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-01/pr-add-on-applications-system
「日経コンピュータ パートナー満足度調査2023」は、株式会社 日経BPによるシステムインテグレータやコンサルティング会社などのパートナー企業を対象に、ハードウエアメーカーやソフトウエアベンダーに対する満足度を評価する調査です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、セキュリティー・脅威対策製品/サービス部門で1位を獲得しました。
製品学習会や技術トレーニングなどのパートナー企業に向けた支援を強化してきました。さらに、サイバーセキュリティに関する研究を担う「サイバーセキュリティラボ」を中核に、セキュリティ情報サイト「サイバーセキュリティ情報局」やオンラインセミナーなどを通して、最新の脅威動向やサイバー攻撃手法など発信する取り組みを行い、受賞に繋がりました。
詳細:
https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-02/pr-nikkeicomputer-security
働き方の急速な多様化により、複数の場所で仕事を行う分散業務が広がっています。これに伴い、建設・設計・測量用途の図面出力においても、自宅などの限られたスペースで、オフィスと同様にA1サイズの等倍印刷やA3サイズの縮小印刷ができる大判プリンターへのニーズが高まっています。
新製品“TC-20”は、机や棚に置いて使えるコンパクトなデスクトップ大判プリンターです。最大A1ノビ幅のロール紙に対応するとともに、A3サイズの用紙を連続印刷できるオートシートフィーダー(ASF)を標準搭載しています。シンプルな操作で印刷できる無料のソフトウエアソリューションに対応し、上位機種※1と同等の使い勝手を実現します。
※1.「imagePROGRAF TA-20」(2019年10月発売)、「imagePROGRAF TM-205/TM-200」(2018年11月発売)
詳細:https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-01/pr-imageprograf
2022年9月に資本業務提携を開始した株式会社アジラ製のAI警備システム“アジラ”の提供を4月上旬より開始します。
施設に設置しているカメラの映像から異常・不審行動をAIで検知し、リアルタイム通知することで商業施設やオフィスビル、製造現場などの事件・事故の未然防止と迅速な対応を支援します。
詳細:https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-03/pr-asilla

上記が役員一覧です。河本 宏子氏が取締役(社外)として就任し、土橋 昭夫氏が取締役(社外)から退任となりました。

上記が執行役員一覧です。三上 公一氏、笹部 幸博氏、平賀 剛氏が常務執行役員に昇進、常信 卓也氏が執行役員に就任しました。また、森田 浩喜氏が上席執行役員から退任し、上記の体制となりました。
中小企業の競争力強化を支援する「まかせてIT DXシリーズ」にて“経営支援サービス”と“教育支援サービス”を提供開始しました。
「まかせてITシリーズ」とはセキュリティ対策や情報漏えい対策などをパッケージ化し、主に中小企業のDXを支援するサービスです。受注件数が、2021年2月の発売から約1年半で累計1000社余りに達し、好調であることが伺えます。(週刊BCN インタビュー記事より)
経営支援サービスでは、顧客のDXサポートのためIT投資計画の策定や営業力強化のための戦略策定および営業活動の課題解決を支援します。キヤノンS&Sが持つDX推進における豊富なノウハウやスキルを活用し、企業のIT環境を整備するサービスです、
また、教育支援サービスでは、キヤノンS&Sの強みであるセキュリティの知識をはじめ、DXの流れを理解するITリテラシーや業務に役立つMicrosoft社のOffice関連製品の基礎スキルをパッケージ化し、自己学習が可能なオンデマンドのオンラインコンテンツを提供します。企業のDX人材を育成するサービスです。
詳細:
https://canon.jp/corporate/group/system-and-support/newsrelease/2023/20230331

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の今後の展望を読み解きます。
まずは、長期経営構造の資料より中長期的な動向を読み解きます。
キヤノンマーケティングジャパングループは、2025年までに売上6,500億円、営業利益500億円、ROE8.0%を目指しています。そのための基本方針として4点を挙げています。
①利益を伴ったITソリューション事業の拡大
②既存事業の収益性強化
③専門章域の強化・新規事業の創出
④持続的成長に向けたグループ経営
具体的な事業の方向性としては、現在の収益の柱であるキヤノン製品事業の利益を伸ばしつつ、ITソリューション事業に転換を行う方針であることから、キヤノンITソリューションズ株式会社はグループ内でも期待されている事業領域であるということが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ITソリューション事業の拡大戦略においての具体的な戦略は上記です。エンタープライズセグメントにおいては、特にEdgeソリューションをCAGR+18%と注力して拡大していくことが読み取れます。また、これらの事業の基盤となるデータセンタービジネスの拡大に向けた投資も計画しています。
また、エリアセグメントにおいてはHOME/IT保守・運用をCAGR+13%と注力していく方針です。特に中小企業は社内にIT人材が不足しているため、導入支援から保守まで伴走することでニーズに応えていくことが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

次に、2023年の展望についてご紹介します。上記は、2023年の業績予測です。
2023年年間を通しての売上高は6,240億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は500億円(前年同期比0%増)、経常利益は514億円(前年同期比1.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は356億円(前年同期比0%増)と予測されています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)

セグメント毎の業績予測は上記のとおりです。法人向けサービスであるエンタープライズとエリアは双方とも前年から売上と利益ともに増加する見込みです。
エンタープライズにおいては、売上高は2,150億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は176億円(前年同期比5億円増)と予測されています。また、エリアにおいては、売上高は2,394億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は173億円(前年同期比17億円増)と予測されています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第1四半期 決算説明より)
2023年12月期第1四半期決算短信に下記のように記載があることから、経済状況に緩やかな持ち直しがあるものの、物価上昇、日本国内の賃上げの流れ、世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れ等、先行き不透明な状況が続くことを見越しての予測だと言えます。
2023年度を展望しますと、わが国の経済は、一部に弱さが見られるものの、引き続き緩やかに持ち直しの動きが続くと思われます。一方で、ウクライナ情勢等によるエネルギーコストや原材料価格の上昇、日本国内の賃上げの流れ、世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れ等、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。このような経済環境のもと、業績見通しについては、2023年1月27日に公表した連結業績予想から変更はありません。
2023年第1四半期は、働き方が多様化した現在のニーズに合わせたオフィス機器やITソリューションの販売によりを行うことで、業績を伸ばしています。今後も、従来のオフィス機器販売で培った顧客基盤を活かして、企業のDX化を支援する方針であることが伺えます。

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