【決算速報】キヤノンマーケティングジャパン 2023年第2四半期はITソリューションが2桁成長を実現
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パートナー戦略において、協業先のIR資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の2023年第2四半期の動向と今後の展望を各種資料から読み解きます。

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キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、キヤノングループにおいて主に販売とシステムサポートの役割を担う企業です。日本におけるキヤノンブランド製品の直販、卸売や修理などのサポートを行っています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

経営戦略として、顧客をセグメントに分けて4つの事業を展開しています。
具体的には、個人向けにインクジェットプリンター等を提供する「コンスーマー」や大手〜中堅企業向けに経営戦略課題解決のためのITソリューションを提供する「エンタープライズ」、中小企業向けに複数の販売チャネルを活かしてITソリューションを提供する「エリア」、専門領域の企業向けにソリューションを販売する「プロフェッショナル」に分類されます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)
参考:キヤノンマーケティングジャパングループ グループ会社・拠点一覧

また、上記がセグメントごとのキヤノンマーケティングジャパン株式会社の子会社一覧です。
法人向けのサービスを提供している企業の代表例として、エンタープライズセグメントではキヤノンITソリューションズ株式会社、エリアセグメントではキヤノンシステムアンドサポート株式会社が挙げられます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は全国170箇所のサービス拠点を持っています。キヤノングループの50年以上の歴史を活かし、大手企業から中小企業、個人まで幅広い販売網を持っていることを強みとしています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の2023年第2四半期の業績について解説します。ポイントとしては上記のとおりです。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
2023年12月期第2四半期決算短信に下記の記載があることから、アフターコロナの経済回復を背景に、企業のIT投資が活発化したことにより、SIサービスやITインフラサービスの業績が伸びており、それが起因して売上総利益は増加しています。一方、販管費の増加により営業利益・経常利益が共に減少しているようです。
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、緩やかに持ち直しの動きが続きました。個人消費は、新型 コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針変更に伴う旅行や外食の拡大、インバウンド消費の回復等により、持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資は、経済活動の正常化に伴い、好調に推移しました。特にIT投資については、製造業や金融業を中心に幅広い業種で投資意欲が高い状態にあり、好調に推移しました。
このような経済環境のもと、当社グループは企業の積極的なIT投資を背景としたSIサービスやITインフラサービ スの売上拡大、オフィスMFPの供給回復やレンズ交換式デジタルカメラの新製品が好調に推移したこと等に伴う売上 拡大により、売上高は3,027億78百万円(前年同期比4.5%増)となりました。 利益については、売上増加に伴い売上総利益は増加したものの、広告宣伝費やIT費用等の販管費の増加により、 営業利益は270億91百万円(前年同期比2.7%減)、経常利益は278億57百万円(前年同期比2.0%減)、親会社株主 に帰属する四半期純利益は186億61百万円(前年同期比3.7%減)となりました。

業績についてご紹介します。売上高は3,027億78百万円(前年同期比4.5%増)となりました。利益については、売上増加に伴い売上総利益は増加したものの、広告宣伝費やIT費用等の販管費の増加により、 営業利益は270億91百万円(前年同期比2.7%減)、経常利益は278億57百万円(前年同期比2.0%減)、親会社株主 に帰属する四半期純利益は186億61百万円(前年同期比3.7%減)となりました。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)

次に、セグメントごとの業績を読み解きます。それぞれの業績は下記のとおりです。法人向けであるエンタープライズとエリアの2つのセグメントでは、コロナ禍による投資の冷え込みが緩やかに回復してきた影響で増収となっています。その反面、コンスーマとプロフェッショナルのセグメントでは、社内の生産性向上のための販管費の増加や、高速連帳プリンター案件の剥落により減益となっています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
●コンスーマ
売上高は641億32百万円(前年同期比2.2%増)となりました。セグメント利益については、広告宣伝費等の販管費の増加により、61億96百万円(前年同期比6.6%減)となりました。
●エンタープライズ
売上高は1,075億9百万円(前年同期比6.9%増)となりました。セグメント利益については、売上増加に伴う売上総利益の増加により、98億70百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
●エリア
売上高は1,186億43百万円(前年同期比5.2%増)となりました。セグメント利益 については、売上増加に伴う売上総利益の増加により92億71百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
●プロフェッショナル
売上高は219億50百万円(前年同期比8.1%減)となりました。セグメント利益については、前年同期にあった高速連帳プリンターの複数案件の剥落により売上は減少し、これに伴う売上総利益の減少により、28億60百万円(前年同期比29.9%減)となりました。

ここからは、法人向けサービスにおいての業績の詳細を読み取ります。
まずは、エンタープライズセグメントです。売上高の内訳としては、主要ビジネス機器が145億円(前年同期比5.0%減)、ITソリューションが383億円(前年同期比12.0%増)です。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
下記、エンタープライズセグメントの業績についての2023年12月期第2四半期決算短信の抜粋です。
ビジネス機器については前年同期比5.0%の減益となっていますが、これにはプリンター事業の案件の剥落が起因していると考えられます。一方でITソリューションに関しては前年同期比12.0%増加となっており、非常に順調な売上向上が確認できます。
主要ビジネス機器については、製品の供給が回復したことにより、オフィスMFPの台数は増加しました。レーザー プリンターについては、前年同期にあった大型案件の剥落により、台数は減少しました。オフィスMFPの保守サービスについては、オフィスにおけるプリントボリュームが減少したものの、カラー出力比率が高まったことにより、 売上は増加しました。レーザープリンターカートリッジについては、大手企業向けでプリントボリュームが減少したことにより、売上は減少しました。
ITソリューションについては、流通業向けや金融業向けのSI案件の売上が増加したことに加え、IT基盤に係る案件を複数獲得したこと、BPOやデータセンター2号棟の売上が順調に推移したこと等により、売上は大幅に増加しました。

ITソリューションについては、製造業向けや流通業向けのSI案件の売上が増加したことに加え、IT基盤に係る案件を複数獲得したこと、BPOや西東京データセンター2号棟の売上が順調に推移したこと等により、売上は大幅に増加しました。
次に、エリアセグメントにおける業績です。
売上高の内訳としては、ビジネス機器他が406億円(前年同期比3%増)、ITソリューションが170億円(前年同期比5%増)です。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
下記、エリアセグメントの業績についての2023年12月期第2四半期決算短信の抜粋です。
エリアセグメントでは、ビジネス機器・ITソリューション共に増益しています。ビジネス機器については、取り扱っているレーザープリンターカートリッジの価格改定により好調な売上上昇に繋がりました。
主要ビジネス機器については、製品の供給が回復したことにより、オフィスMFP、レーザープリンターの台数は大 幅に増加しました。オフィスMFPの保守サービスについては、大都市圏を中心にテレワークが継続され、オフィスに おけるプリントボリュームが減少したことにより、売上は微減となりました。一方、レーザープリンターカートリ ッジについては、2月に実施した仕入価格上昇に伴う価格改定の効果等により、売上は増加しました。
ITソリューションについては、ビジネスPCの供給が回復したことや、複数のIT基盤構築案件を獲得したことに加え、中小企業のIT環境をトータルで支援する「まかせてIT DXシリーズ」のラインアップを拡充し受注件数が増加し たことで、売上は増加しました。

ITソリューション事業の業績を読み解きます。セグメントと事業の合計の売上としては651億円と前年比12%の増加となりました。
また、エンタープライズセグメント・エリアセグメントの売上高としても、「SIサービス」、「保守・運用サービス/アウトソーシング」、「ITプロダクト・システム販売」どの事業も前年比より増加しています。
企業のIT投資が盛んになったことにより、ITソリューション事業の売上が拡大していることがわかります。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
ここからは、2023年第2四半期(2023年4月〜6月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。
キヤノンマーケティングジャパンは2023年5月10日、DWAシリーズの新サービスとして、"請求書受取サービス"の提供を開始しました。本商品はオンラインで請求書を受け取り、業務効率化と事務負荷軽減を可能にする新しいITソリューションです。
具体的には、インボイス制度と電帳法に準拠し、適格請求書発行事業者の確認や税額の自動チェック、支払データの会計システム連携を行います。また、キヤノンMJグループの登録代行サービスと組み合わせることで、請求書の電子化やデータ化、確認作業を代行し、事務負荷を軽減します。
詳細:https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-04/pr-dwaccel-bill
キヤノンマーケティングジャパンは2023年4月、livepassと共同開発したパーソナライズド動画サービスを明治安田生命に導入しました。
パーソナライズド動画サービスは、企業が保持するCRMなどの顧客情報から抽出した情報とベースとなる動画を組み合わせることで、顧客一人ひとりにパーソナライズされた動画を配信できるようにするソリューションです。動画内で対話型のコミュニケーションができるため、選択した内容によりストーリーを出しわけることが可能となります。視聴ログを取得することでマーケティング活動への転用が可能になったり、データの変更を最小限に抑えることで大幅なコスト削減に繋がるなど、便利な機能が整備されている商品です。
詳細:https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-04/pr-jirei-meiyasu
キヤノンマーケティングジャパンは2023年6月、キヤノンの映像技術とAIを活用した「映像DXシリーズ」に製造業における工場向け労災防止ソリューション、オフィスビル向けスマートビルディングソリューションを追加し、提供を開始しました。
今後も対象分野とサービスを拡充し、顧客の業務プロセス変革を支援するとともに、より安心・安全な社会の実現を目指していきます。
詳細:https://canon.jp/corporate/newsrelease/2023/2023-06/pr-image-dx

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の今後の展望を読み解きます。
まずは、長期経営構造の資料より中長期的な動向を読み解きます。
キヤノンマーケティングジャパングループは、2025年までに売上6,500億円、営業利益500億円、ROE8.0%を目指しています。そのための基本方針として4点を挙げています。
①利益を伴ったITソリューション事業の拡大
②既存事業の収益性強化
③専門章域の強化・新規事業の創出
④持続的成長に向けたグループ経営
具体的な事業の方向性としては、現在の収益の柱であるキヤノン製品事業の利益を伸ばしつつ、ITソリューション事業に転換を行う方針であることから、キヤノンITソリューションズ株式会社はグループ内でも期待されている事業領域であるということが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ITソリューション事業の拡大戦略においての具体的な戦略は上記です。エンタープライズセグメントにおいては、特にEdgeソリューションをCAGR+18%と注力して拡大していくことが読み取れます。また、これらの事業の基盤となるデータセンタービジネスの拡大に向けた投資も計画しています。
また、エリアセグメントにおいてはHOME/IT保守・運用をCAGR+13%と注力していく方針です。特に中小企業は社内にIT人材が不足しているため、導入支援から保守まで伴走することでニーズに応えていくことが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

次に、2023年の展望についてご紹介します。上記は、2023年の業績予測です。
2023年年間を通しての売上高は6,240億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は520億円(前年同期比4.0%増)、経常利益は534億円(前年同期比5.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は360億円(前年同期比1.0%増)と予測されています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)

セグメント毎の業績予測は上記のとおりです。法人向けサービスであるエンタープライズとエリアは双方とも前年から売上と利益ともに増加する見込みです。
エンタープライズにおいては、売上高は2,150億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は186億円(前年同期比15億円増)と予測されています。また、エリアにおいては、売上高は2,394億円(前年同期比6.0%増)、営業利益は183億円(前年同期比27億円増)と予測されています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2023年第2四半期 決算説明より)
2023年12月期第2四半期決算短信に下記のように記載があることから、経済状況は緩やかに回復していますが、物価上昇や日本国内での賃上げの動き、世界的な金融引き締めによる海外景気の減速など、将来の不透明な見通しを加味しての予測であると言えます。
2023年12月期の業績予想については、上期の実績を踏まえ、エンタープライズセグメント、エリアセグメントで、 付加価値の高いITソリューションが好調に推移していることから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を修正しております。 なお、当業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断しており、潜在的なリスクや不確実性が含まれます。業績の実績は、今後の様々な要因の変化により、当業績予想と乖離する可能性があります。予想の修正が必要な場合には速やかに公表いたします。
2023年第2四半期は、コロナ禍によるITソリューションへの投資の冷え込みは緩やかに回復し、企業のDX化支援による業績の向上を実現しています。今後も企業のITソリューションへの投資は徐々に増えることを見越し、取り扱い商品のラインナップを増やす動きが予測されます。

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