【IRから読み解く】キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ITソリューション事業の拡大に注力
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パートナー戦略において、協業先のIR資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の2022年の動向と今後の展望を各種資料から読み解きます。

「ごく一部の代理店しか売ってくれない・・・」
「スプシでの契約管理やメールでの情報共有など、業務が煩雑」
「代理店データが可視化できず、施策も意思決定も属人化している」
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、キヤノングループにおいて主に販売とシステムサポートの役割を担う企業です。日本におけるキヤノンブランド製品の直販、卸売や修理などのサポートを行っています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

経営戦略として、顧客をセグメントに分けて4つの事業を展開しています。
具体的には、個人向けにインクジェットプリンター等を提供する「コンスーマー」や大手〜中堅企業向けに経営戦略課題解決のためのITソリューションを提供する「エンタープライズ」、中小企業向けに複数の販売チャネルを活かしてITソリューションを提供する「エリア」、専門領域の企業向けにソリューションを販売する「プロフェッショナル」に分類されます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)
参考:キヤノンマーケティングジャパングループ グループ会社・拠点一覧

また、上記がセグメントごとのキヤノンマーケティングジャパン株式会社の子会社一覧です。
法人向けのサービスを提供している企業の代表例として、エンタープライズセグメントではキヤノンITソリューションズ株式会社、エリアセグメントではキヤノンシステムアンドサポート株式会社が挙げられます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は全国170箇所のサービス拠点を持っています。キヤノングループの50年以上の歴史を活かし、大手企業から中小企業、個人まで幅広い販売網を持っていることを強みとしています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の2022年度の業績を読み解きます。売上高は5,881億円と前年比7%の増収となりましたが、営業利益は499億円と前年比26%の減収となりました。売上高増加の原因はITソリューション事業の好調が継続していること、 営業利益の減少としては仕入価格の上昇による売上総利益の減少や、販管費の増加があげられます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2022年12月期 決算説明会資料より)

次に、セグメントごとの業績を読み解きます。エンタープライズセグメントでは、売上高は2,027億円と前年比121%増加、営業利益は171億円と前年比32億円増加しています。エリアセグメントでは、2266億円と前年比57%増加、営業利益は156億円と前年比35%増加しています。

ここからは、法人向けサービスにおいての業績の詳細を読み取ります。
まずは、エンタープライズセグメントです。売上高としては、537億円と前年変化なし、営業利益は、41億円と前年比12%減となりました。ビジネス機器他においては、製品供給の回復が引き続き進んだことにより、オフィスMFPやレーザープリンターの売上は大幅に増加したものの、テレワークによりオフィスにおけるプリントボリュームが減少したことから、売上は前年比3%減少しました。
ITソリューションについては、金融業向け、製造業向けのSI案件やビジネスPCが好調、セキュリティやデータセンター2号棟の売上も増加したことから、売上高は前年比2%増加となりました。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2022年12月期 決算説明会資料より)

次に、エリアセグメントにおける業績です。
売上高は593億円と前年比7%増加、営業利益は38億円と前年比9%増加しています。
ビジネス機器の状況については、エンタープライズセグメント同様に製品供給の回復が引き続き進んだことにより、オフィスMFP、レーザープリンターの売上 は大幅に増加、大都市圏を中心にテレワークが継続したこと等により、 オフィスにおけるプリントボリュームが減少し、売上は減少しました。また、レーザープリンターカートリッジについては、2023年2⽉の価格改定を見据えた駆け込み需要等により、売上は増加しました。その結果、売上としては431億円と前年比6%の増加となりました。
ITソリューションについては、ウイルス対策ソフト「ESET」やIT支援クラウドサービス 「HOME」等のセキュリティが好調である他、中小企業のIT環境をトータルで支援する「まかせてITシリーズ」にて、保守運用に関するラインアップを刷新し10⽉から提供を開始したことにより、受注件数が増加しました。その結果、売上は593億円と、前年比9%増加となりました。 (キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2022年12月期 決算説明会資料より)

ITソリューション事業の業績を読み解きます。全セグメントの売上構成比として、特に「保守・運用サービス/アウトソーシング」においては2019年の売上構成比は15%であったところ、主にエンタープライズセグメント、エリアセグメントにて、付加価値の高いサービスの提供に注力してきたことにより、2022年まで21%まで伸長しています。
また、エンタープライズセグメントの売上高としても、「SIサービス」、「保守・運用サービス/アウトソーシング」、「ITプロダクト・システム販売」どの事業も前年比より増加しています。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2022年12月期 決算説明会資料より)
また、週刊BCNのインタビュー(2023年1月9日公開)にてキヤノンマーケティングジャパン株式会社代表の足立氏が下記のように述べていることから、エンタープライズセグメントにおけるITソリューション事業は拡大していることがわかります。
――ITS事業が伸びた背景は何か。
半導体の供給不足でサーバー機材の調達がままならない逆風が吹くなかでも、業務アプリケーション構築やITサービスの価値を顧客から認めていただき、しっかり稼げたことが大きい。当社の法人向け事業セグメントは大きくエンタープライズ事業とエリア事業の二つに分けているが、とりわけ22年1~9月のITS事業のうちエンタープライズ事業が前年同期比15%増と大幅に伸びたことがビジネスを牽引した。

ここからは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の長期経営構造をご紹介し、今後の動向を読み解きます。
キヤノンマーケティングジャパングループは、2025年までに売上6,500億円、営業利益500億円、ROE8.0%を目指しています。そのための基本方針として4点をあげています。
①利益を伴ったITソリューション事業の拡大
②既存事業の収益性強化
③専門章域の強化・新規事業の創出
④持続的成長に向けたグループ経営
具体的な事業の方向性としては、現在の収益の柱であるキヤノン製品事業の利益を伸ばしつつ、ITソリューション事業に転換を行う方針であることから、キヤノンITソリューションズ株式会社はグループ内でも期待されている事業領域であるということが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)

ITソリューション事業の拡大戦略においての具体的な戦略は上記です。エンタープライズセグメントにおいては、特にEdgeソリューションをCAGR+18%と注力して拡大していくことが読み取れます。また、これらの事業の基盤となるデータセンタービジネスの拡大に向けた投資も計画しています。
また、エリアセグメントにおいてはHOME/IT保守・運用をCAGR+13%と注力していく方針です。特に中小企業は社内にIT人材が不足しているため、導入支援から保守まで伴走することでニーズに応えていくことが読み取れます。(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 統合報告書 2021年12月期より)
また、週刊BCNのインタビュー(2023年1月9日公開)にて代表の足立氏が下記のように述べていたことから、今後はパートナー企業と協力してエリア事業を強化し、中小企業の顧客を開拓していいくことが伺えます。
――エリア事業セグメントの状況はどうか。
ここは、今中計で勢いをつけなければならない領域だと感じている。グループ会社で全国約160拠点を展開するキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)が主に担っている中堅・中小企業向けのビジネスを伸ばすとともに、地場のビジネスパートナーとより一段と関係を深めていく。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、大企業から中小企業まで幅広い業界への顧客基盤を活かし業績を拡大しています。
今後も、キヤノンマーケティングジャパングループ全体として、ITソリューション事業の拡大を推進していくことが期待されます。

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