紹介案件数を活性化させる仕組みの秘訣はパートナー企業の本業シナジー。中小企業を開拓するためのパートナービジネス|株式会社ライトアップ
ベンダーインタビュー
代理店・パートナー開拓

秋國:こんにちは。パートナーサクセスの秋國です。本日は、中小企業向けに様々なサービスを提供する株式会社ライトアップ様にお伺いしています。今回お話をお聞きするのは、執行役員 経営コンサルティング局の杉山 宏樹 様です。本日はよろしくお願いします。
杉山:よろしくお願いします。
秋國:最初に、御社の事業内容についてお聞かせください。
杉山:株式会社ライトアップは「全国、全ての中小企業を黒字にする」という企業理念を掲げて、インターネットサービスを軸に様々な新規事業を展開することで中小企業の経営支援を行っています。
具体的なサービスとしては、助成金自動診断ツール「Jシステム」や補助金・助成金活用支援「Jコンサルティング」、補助金を活用した上で製品を購入できるECサイト「JSaaSストア」経営課題の解決策を提供する「JDネット」などがあげられます。
株式会社ライトアップ 執行役員 経営コンサルティング局 杉山宏樹 氏
助成金・補助金支援事業の立ち上げを担当。2018年、東証マザーズ(現グロース)への上場を経験。国内最大級の支援サービスを構築し、現在も担当役員をつとめる。主催する経営者向け助成金勉強会には過去7万社が参加、累計申請支援金額は300億円を突破。今現在では自治体や銀行、大手企業など1,000社以上とアライアンス関係を構築している。
秋國:御社のパートナービジネスやIRを拝見していると、パートナー企業様の社数の公開や、毎月主要KPIの公開をされているのが印象的でした。事業においてのパートナービジネスや、直販との棲み分けなどはどのように取り組まれているのですか?
杉山:比率でいうと、売上高はパートナー企業様経由が9割程度です。
秋國:基本的に直販は行っていないのでしょうか?
杉山:直販はほとんど行っていません。直販は新規事業のテストセールスを目的に行い、売れたものを型化してパートナービジネスに落とし込んでいます。
秋國:基本的に、直販ではインバウンドで来るような案件を形にしているのですか?
杉山:インバウンドとアウトバウンドのどちらも対応しています。まずは、顧客ターゲットを選定し課題を情報収集した上で、販促物を作ります。その後、顧客ターゲットにあわせて、インバウンドとアウトバウンドを棲み分けています。

秋國:サービスとしては、助成金診断やプラットフォームの提供だと思うのですが、今までどのようなパートナー企業様が多い傾向にありますか?
杉山:中小企業様向けにソリューション提供をしているパートナー企業様が多いです。具体的には、大きい企業様だと金融機関や自治体、中小企業DXビジネスをしている企業様などです。中・小規模ですと、地場でコンサルをしている企業様やIT企業様、士業などです。共通点としては、中小企業向けにサービス展開をしていることです。
秋國:顧客ターゲットは中小企業かと思いますが、その中でも基本的に地方の割合的に多いのでしょうか。
杉山:東京以外の顧客が社数としては多いです。
秋國:地方顧客にアプローチするために、パートナービジネスに注力しているということでしょうか。
杉山:地域というよりも、中小企業様へアプローチするといった目的です。社員数が10名未満の企業様がメインなので、結果的に地方の顧客が多くなっています。
秋國:なかなかデジタルマーケティングを活用して地方へ情報を届けづらいと思いますが、そういった広報や宣伝の施策は行われているのですか?
杉山:弊社の顧客はインターネットで情報収集する方は少ないため、一般的なデジタルマーケティングというのはほとんど行っていません。パートナー企業様を開拓する目的で、プレスリリースを出したり、パートナー企業様との共催マーケティング施策としてのセミナー開催をしたりすることはあります。
秋國:パートナー企業様の協力体制があるからこそ、地方の顧客へ情報を届けられているということですね。
杉山:おっしゃる通りです。
秋國:そもそも御社のターゲット顧客が地方に多いため、自ずとパートナービジネスの売上比率が高いということなのですね。
秋國:現在は、何社ほどのパートナー企業様と契約されていて、何名体制でパートナービジネスに取り組まれているのですか?
杉山:約1,500社のパートナー企業様がいて、その半分ほどを私が管轄しています。その中に、新規パートナー開拓チームとパートナーサクセスチームがあり、それぞれ5から10名ほどで動いています。
秋國:それぞれのチームはどのような役割なのでしょうか。
杉山:パートナー開拓チームにおいては、インバウンドの流入がメインですが、マーケティングやアウトバウンドも行っています。
インバウンドにおいては、すでにある金融機関のパートナー企業様や大手のパートナー企業様との協業事例から、お問い合わせいただくケースや、既存のパートナー企業様から紹介をいただくケースが多いです。
パートナーサクセスチームは、パートナー企業様に対して、顧客のサービス導入後のフォローに関する情報提供を行っています。そうすることで、顧客のサービス活用を促進することが役割です。
秋國:約1,500社のパートナー企業様がいらっしゃるとのことですが、何割程度がアクティブに活動されていますか?
杉山:時期によりますが、パートナー企業様全体の半数以上がアクティブに販売をしてくださっています。パートナー企業様のうち7割以上が中・小規模の企業であるため、大企業とのアライアンスと比較するとアクティブ率が高い傾向にあるのかもしれません。
秋國:パートナー企業の社数が多い中でも、しっかりとパートナー企業様と密に連携しアクティブに販売してもらえるような仕組みづくりをされていて素晴らしいです。
杉山:やはり、パートナー企業様の本業とシナジー効果を考慮しなければ、弊社サービスの優先順位を上げてもらいづらいです。PPF(プロダクト・パートナー・フィット)を意識することが重要ですね。

秋國:アクティブなパートナー企業というのは、どのような基準で判断されているのでしょうか。
杉山:1つは、御社のサービスはパートナー企業様ごとにページを作成し、パートナー企業様は用意されたページをお客様に見せながら補助金・助成金のシミュレーションをしていく、というものです。このページを通じた弊社への相談依頼数を見ることで、パートナー企業様の動きを確認しています。
一方で、案件紹介がない場合でも、パートナー企業様の本業にとってプラスになっている場合もあります。例えば、パートナー企業様が顧客へ補助金・助成金の話をすることで、本業のアポイント数が増えたり、関係値を作りやすくなるというケースがあります。そのため、弊社への顧客紹介数は0件にも関わらず、パートナー契約を継続される企業がいらっしゃるんです。
秋國:そのような状況は、パートナー企業様からどういったところでお聞きになるのですか?
杉山:定期的なお電話です。
秋國:弊社のサービスを取り扱うことでパートナー企業様の本業の売上拡大にも貢献できていることが、定期的なお電話によりわかるということですね。
秋國:単なる販売代理とは異なり、パートナー企業との本業シナジーを注視するというのは、パートナービジネス開始当初からの方針でしょうか。
杉山:はい。パートナー企業様との本業シナジーを最重視するというのは、パートナービジネス開始当初からの方針です。
というのも、新型コロナウイルスが流行った際、補助金・助成金のニーズが急増しました。そこで、助成金自動診断ツール「Jシステム」のパートナー企業になりたいといった問い合わせも増えたのですが、一過性のものであるため一定数は解約になっています。
一方で、パートナー企業様の事業と弊社サービスを組み合わせることで、シナジー効果が発揮できるような企業は、長期的な販売活動を行っていただける傾向が高いです。そういった背景で、パートナー企業様との本業シナジーを重視しています。
秋國:パートナー企業になりたいといった問い合わせがあっても、シナジー効果が生まれないような企業はお断りされているのでしょうか。
杉山:パートナー企業様との契約において、業種などでの制限はしていません。パートナー企業様を絞っているというよりは、市場動向に合わせて新規事業をリリースしており、時期によって契約しているパートナー企業様の業種・業態の変遷があります。
例えば、先程申し上げた通り、コロナ禍においては助成金自動診断ツール「Jシステム」を販売するパートナー企業様が一気に伸びましたが、現在は減少傾向にあります。一方で、現在はパートナー企業様の製品を補助金・助成金制度と共に顧客へ販売する「JSaaSストア」のパートナー企業様数が急激に伸びています。
この「JSaaSストア」は、助成金自動診断ツール「Jシステム」を販売するパートナー企業様のニーズを聞く中で、弊社サービスを単に代理販売してもらうだけでなく、より事業としてシナジー効果を発揮できるアライアンス形態があるのではないかと考え、開始したものでした。

参照:株式会社ライトアップ 2024年3月期 第1四半期決算説明資料より
秋國:パートナー企業様との本業シナジーといったことを軸にして、パートナープログラムも磨かれているんですね。そのような取り組みの結果、パートナー企業様の動きや成果にも変化があったのでしょうか。
杉山:少し変化はありました。「Jシステム」においては、パートナー企業様が顧客に補助金・助成金の情報提供を行うことによるパートナー企業様との本業とのシナジー効果として、アポイント数が増え本業のサービスが売りやすくなることと、パートナー企業のサービスの解約率が下がることでした。
一方で、「JSaaSストア」では、パートナー企業の本業の受注率が上がるということが提供できる最大の価値になりました。例えば、顧客と長期的な関係値を持つことが重要だと考えてるパートナー企業様は、おのずと「JSaaSストア」のパートナー制度に加入するケースが多いです。

秋國:御社と相性が良いパートナー企業様の特徴は何でしょうか。
杉山:中小企業経営者との接点数が多い企業です。例えば、元々中小企業の顧客リストが多い大手企業や営業会社などが挙げられます。
秋國:パートナー企業様の規模によって、アプローチする顧客セグメントは異なるのでしょうか。
杉山:そうですね。パートナー企業の規模によって顧客セグメントは異なります。そのため、市場動向に伴い、その時期の補助金・助成金の需要が高い顧客にアプローチできるよう、パートナー企業を増やしたり、注力するパートナー企業を変えていたりします。
秋國:市場動向にあわせて注力するパートナー企業が変わってくるということですね。
杉山:そうですね。あとは、注力の判断基準を会社規模により変えています。例えば、大企業の場合は毎月新しい中小企業の経営者と接点を持っている傾向が高く、提案機会も多いため、案件紹介数の期待値を高めに設定しています。一方で、規模が小さいパートナー企業様の場合は、顧客の入れ替わりが多いわけではないので、案件紹介数の期待値を低めに設定しています。
そのため、中・小規模のパートナー企業様は、大規模のパートナー企業様と比較して実績が低くても、注力して支援させていただいているケースが多いです。
秋國:御社の中で、パートナー企業の規模により案件紹介数の期待値や目標値をそれぞれ設定しているということでしょうか。
杉山:そうですね。パートナー企業様への期待値は、顧客接点数×稼働率で考えています。パートナー企業様の顧客基盤や弊社サービスを販売するモチベーションをかけあわせて、予測を立てるイメージです。
秋國:わかりやすいです。パートナー企業の顧客接点数や稼働率は劇的に変化することは少ないと思います。その中で、パートナービジネスの売上をさらに拡大するために注力されているのは、パートナー企業の社数を増やすことなのでしょうか。
杉山:そうですね。パートナー企業の社数を増やすこと、もしくは、パートナー企業の顧客接点数を増やすことに取り組んでいます。
秋國:パートナー企業の顧客接点数を増やすというのは、顧客基盤に対して接点数が少ないようなパートナー企業様をご支援されるということでしょうか。
杉山:そうですね。顧客基盤をうまく活用できてないパートナー企業様のご支援をしたりもします。あとは、顧客接点はあるが補助金・助成金のサービスの販売経験がないパートナー企業様もいらっしゃるので、そのような企業様に対して弊社サービスの販売を促進する取り組みをしています。

秋國:パートナープログラムについてお聞かせください。御社のパートナープログラムは希望すれば誰でも加入できるものでしょうか。
杉山:制限はしていないです。しかし、先程お話したパートナー企業様専用ページのシステム利用料として月5万円頂いているので、誰でも気軽に加入できるわけではありません。
秋國:結果として、販売の意欲がある企業のみ加入するような仕組みになっているのですね。ランク制度やインセンティブ制度は設けているのでしょうか。
杉山:パートナー企業様の事業内容や単価などにあわせてご支援内容を変えているため、一般的なランク制度やインセンティブ制度は設けていないです。そういった制度は、パートナー企業様にとってモチベーションになりづらいのではないかと思います。
秋國:パートナー企業様の本業シナジーを重視しているからこその考え方ですね。パートナー企業様同士が競い合うことではモチベーションには繋がらないということがわかりました。パートナー企業様同士で案件がバッティングしてしまうことはありますか?
杉山:ゼロではないと思いますが問題になることはないですね。。ベンダー企業のサービスをパートナー企業様が販売するといった仕組みであれば起こりやすいと思うのですが、弊社のサービスは基本的にパートナー企業様の本業の裏にいるようなポジションであるため、そもそもバッティングという概念がないです。あとは、中小企業様というのはかなり数も多いため、バッティングしづらいというのもあります。
秋國:パートナー企業様同士の棲み分けやモチベーション向上が仕組み化されていて素晴らしいと思います。
秋國:パートナー企業様との共同マーケティング施策についてお聞かせください。先程、パートナー企業様の顧客基盤を活かすための支援をするとお聞きしましたが、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか。
杉山:例えば、共催セミナーやメルマガ配信が挙げられます。共催セミナーをを実施する場合は、パートナー企業様の顧客リストの特性にあわせて適切な補助金・助成金をテーマに企画をします。LP作成も弊社がご支援させていただいています。
秋國:共催セミナーを企画される際は、パートナー企業様にどのような顧客リストを保有していて、どのようなニーズがありそうかをヒアリングをした上で実施されるのでしょうか。
杉山:そうですね。メルマガ配信においては、原稿を弊社で作成しパートナー企業様の配信リストに一斉配信をしていただきます。パートナー企業様の中には、こういったマーケティングのノウハウが少ない方もいらっしゃるため、ノウハウの提供といった面でも価値を感じていただいてますね。
秋國:パートナー企業様の方からメルマガ配信がしたいと要望があるものでしょうか。
杉山:弊社から、どのような配信リストにどのような訴求をすれば、何件のコンバージョン数が見込まれるためやりましょう、といったご提案をしています。
秋國:それは、パートナープログラムのご支援内容の範囲でしょうか?それとも、有料のプランなどをご用意されているものでしょうか?
杉山:パートナープログラムのご支援の範囲であるため無償です。
秋國:多くのパートナー企業様から依頼がきますよね。
杉山:そうですね。パートナープログラムのご支援内容に入っているため、基本顧客リストを保有されているパートナー企業様はご支援するようにしています。
秋國:何社くらいの顧客リストを保有しているパートナー企業様だと効果が出やすいのでしょうか。
杉山:1,000件以上を目安にしています。しかし、特に中・小規模のパートナー企業様だと、顧客リストは少なくても、関係が非常に濃いことから反応率がかなり良かったりするケースもあります。なので、一概に顧客リスト数だけでは図り得ない部分もありますね。

秋國:最後に、今後の展望を教えてください。
杉山:2点あります。1点目は、助成金・補助金支援サービスのご提供を通して、社会問題の解決にさらに貢献していくことです。助成金・補助金は社会問題の解決と密接しています。弊社が取り扱う補助金・助成金を増やすことで、パートナー企業様の職種も広げ、助成金・補助金支援サービスを届けられる人を増やしたいと考えています。
2点目は、パートナー企業様の売上拡大にもっと貢献していくことです。パートナー企業様から、弊社サービスを活用して顧客開拓をしていきたいという要望も多いです。弊社サービスを活用して、顧客開拓まで行い、売上拡大に貢献できるような支援ができればいいなと思っています。
秋國:組織的には、もっと拡大していこうといった計画もあるのでしょうか。
杉山:そうですね。弊社の顧客である中小企業は、社数も多く課題も多種多様です。その経営課題を解決するために、新規プロダクト開発、事業開発、営業を拡大していく予定です。
秋國:ありがとうございます。インタビューは以上です。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

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