【決算速報】リコー オフィス機器の販売台数が見立てを下回り粗利未達 スクラムシリーズは引き続き好調
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代理店販売の戦略において、協業先の決算資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、2023年度第2四半期決算(2023年11月8日発表)より、株式会社リコーの動向と今後の展望を読み解きます。

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株式会社リコーの事業内容についてご紹介します。
株式会社リコーは、顧客の”はたらく”に寄り添ったサービスやデジタル技術・デバイスを提供しています。2021年4月1日より社内カンパニー制を導入し、事業を下記のセグメントに分けて展開しています。
オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」
オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」
商用印刷・産業印刷サービスを提供する「リコーグラフィックコミュニケーションズ」
サーマル・産業プロダクツの製造・販売を行う「リコーインダストリアルソリューションズ」
社会問題解決の新規事業を創出する「リコーフューチャーズ」
参考:株式会社リコー 事業分野

子会社であるリコージャパン株式会社は、リコー製品を中心とした商品・サービスの提供やシステムインテグレーションを行っており、大手パートナー企業として様々なベンダーと連携しています。

また、リコージャパン株式会社は約7,900人の営業担当者と約1,300人のシステムエンジニアを抱え、営業所数は366拠点と、強力な販売・開発基盤を持っています。また、A3レーザーMFP・コピー機の出荷台数は2位と高いシェア率を誇っています。

また、リコーグループ全体の方針として、2020年に「デジタルサービス会社への変革」をビジョンとして掲げ、デジタルサービス中心とした事業構造への変革を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

そういった中で、株式会社リコーは2020年6月より「RICOH Digital Processing Service」を提供しています。スクラムシリーズ(中小企業向けに既存アプリケーションと開発アプリケーションを組み合わせた「スクラムパッケージ」や、中堅企業向けに個別のシステム構築まで行う「スクラムアセット」を含む)により、主にバックオフィス領域での顧客課題に合わせたソリューション提供を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

ここからは、株式会社リコーの2022年度通期の業績について解説します。ポイントとしては上記の通りです。(株式会社リコー 2023年度第2四半期決算説明資料より)
2023年度第2四半期は、増収減益となりました。営業利益は、第1四半期決算でお伝えした想定には届いておりません。理由は、以下の3つです。
1つ目が、A3MFP販売台数の回復が当初の見立てを下回ったことによる、リコーデジタルプロダクツ(RDP)における生産調整の継続、製品ミックスの低下。2つ目が、サーマル事業における、欧州を中心に景気の弱含みの影響等による減収減益。3つ目が、一部の資産・事業売却の予定の変更です。
なお、オフィスサービス事業は、増収増益となりました。ストック売上は前年比21%増加で、順調に収益基盤を積み上げています。地域別に、日本では、スクラムシリーズが好調に推移しています。(株式会社リコー 2023年度第2四半期決算説明資料_要訳テキストより)

業績としては上記の通りです。
当会計年度の売上高は11,125億円(前連結会計年度比14.3%増)、売上総利益は3,862億円(前連結会計年度比34.7%増)販売費及び一般管理費は3,667億円(前連結会計年度比13.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は543億円(前連結会計年度比239億円増) となりました。(株式会社リコー 2023年度第2四半期決算説明資料より)

ここからは、事業別の業績を読み解きます。まずは、オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」です。
売上高は2,344億円(前年同期比2.1%増)、営業利益は18億円(前年同期比76.2%減)となりました。A3MFPの生産調整やA4MFP増産に伴う製品ミックスにより粗利は未達となっています。
今後は、東芝テック株式会社とのジョイントベンチャー組成に向けて準備をおこなっており、オフィスプリンティング事業を始めとした事業基盤を強化する予定です。(株式会社リコー 2023年第2四半期期決算説明資料より)

次に、オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」の業績を読み解きます。
売上高は8,833億円(前連結会計年度比14.2%増)、営業利益は189億円(前連結会計年度比78%増)となりました。(株式会社リコー 2023年第2四半期期決算説明資料より)

上記が、リコーデジタルサービス内の「オフィスサービス」事業の業績です。売上高は1,845億円(前年同期比30.5%増)です。(株式会社リコー 2023年第2四半期期決算説明資料より)
オフィスサービス事業では、日本でスクラムシリーズの売上が引き続き伸長しました。インボイス制度対応などのバックオフィス系やセキュリティ関連の販売増加に加え、主に中堅業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも高い伸び率で伸長しました。また、サイボウズ株式会社と共同開発したクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も順調に伸長しております。(株式会社リコー 2023年第2四半期決算短信より)
ここからは、2023年度 第2四半期(2023年7月〜9月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。
株式会社リコーとリコージャパン株式会社は、7月4日に大田区とSDGsに関する連携協定を締結しました。
大田区、リコー及びリコージャパンが、それぞれの持つ資源を活用して連携及び協力し、SDGsの普及啓発及び達成に向けた取り組みを推進することで、持続可能なまちを実現することを目的としています。
今後三者は、本協定に基づき、多様な分野において、お互いの資源やノウハウなどを連携させた取り組みを加速させ、大田区の持続可能な社会の実現を強力に推進していきます。
詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0704_1
リコージャパン株式会社は、福岡市が実施する「バックオフィス業務効率化推進事業」へ参画をします。本事業はアデコ株式会社が受託したもので、リコージャパンはアデコのパートナーとして本事業に参画します。
「バックオフィス業務効率化推進事業」は、福岡市内中小企業の生産性向上に向け、現状把握や課題整理を支援し、主に経理会計業務の業務効率化に向けたデジタルツールを紹介するものです。
リコージャパンは、お客様の“はたらく”に寄り添い、経営課題、業務課題を解決するデジタルサービスを提供することで、企業価値向上と生産性向上を実現し、持続可能な社会づくりに貢献します。
詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0911_1
組織変更及び人事異動に関する情報も公開されました。下記に詳細を記載いたします。
組織変更に関するお知らせ(2023年9月13日発表)

人事異動のお知らせ(2023年9月13日発表)


詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0913_1
https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jpricoh/release/2023/pdf/09131.pdf

執行役員の森 泰智氏がリコーインダストリアルソリューションズBU 経営企画本部 本部長からリコーイメージング株式会社の社長となりました。
詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0921_1
https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jpricoh/release/2023/pdf/09211.pdf
リコーリース株式会社は、SDGs(持続可能な開発目標)達成にお客様、販売会社とともに貢献することを目的とし、リコージャパン株式会社が売主となるリース、割賦、立替払契約を対象とした「“タイアップ型”SDGs参加型リース」の取り扱いを開始しました。
今後も、リコーリース、リコージャパンはお客様のSDGsへの貢献を支援するとともに、育て上げネットの活動を後押しし、持続可能な社会の実現を目指します。
詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0929_1
株式会社リコーとリコージャパン株式会社は、9月29日に岩手県遠野市と地方創生に関する連携協定を締結しました。
遠野市およびリコー、リコージャパンが、相互に連携し、各々の有する資源を有効に活用した地域振興を図る取り組みの協働を実践することにより、持続可能な社会の構築に資する施策を創出することを目的としています。
今後三者は、本協定に基づき、多様な分野において、お互いの資源やノウハウなどを連携させた取り組みを加速させ、遠野市の持続可能な社会の実現を強力に推進していきます。
詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/0929_3

今後の展望として、リコーグループ全体の目標は上記の通りです。業績としては、2025年度には営業利益1,300億円、ROE(自己資本利益率)9%超えを目指しています。また基本方針としては3つのテーマを定めており、下記の3点に注力していく方針です。
①地域戦略の強化とグループ経営の進化
②現場・社会の領域における収益の柱を構築
③グローバル人材の活躍

上記がセグメント別の業績目標です。2023年9月6日にリコーグループ統合報告書2023が公開され、財務目標が修正されました。
20次中計発表時(2021年3月)は、2025年度の財務目標について営業利益1,500億円、ROE10%超と示していましたが、目標を修正しました。昨今の不測の経営環境変化やオフィスプリンティング事業の消耗品売上高の回復が当初想定していたほど見込めないことなどを考慮し、目標達成の時期が将来にずれ込むと判断したためです。
ROE10%超の実現については継続して目指します。同時に、分野(ビジネスユニット)別の売上高・営業利益目標を一部見直しました。今後、オフィスのデジタルサービスを担うリコーデジタルサービスが全社の成長を牽引していきます。
さらに、現場のデジタル化として、製造や流通などの現場や社会へも成長領域を拡げ、お客様の“はたらく”領域においてサービスを提供する会社としてお役立ちするとともに、新たな収益の柱の確立を目指します。(リコーグループ統合報告書2023より)

第21次中期経営計画達成のための具体的な施策を読み解きます。2025年度に、デジタルサービスの売上は1兆4,800億円を目指し、内訳は青色のオフィスのデジタルサービスが
1兆2,000億円、オレンジ色の現場のデジタルサービスが2,800億円と見込んでおります。
特に、このデジタルサービスの部分では、ストック収益の増加にこだわり施策を継続して実施し、効果を上げてきています。また、商用印刷分野ではオフセットからデジタルへの展開、サーマル事業の分野ではラベルレス等のデジタル化など、ストックビジネスにつながるデジタルサービスをグループとして実績、経験を積んできました。今後もストック収益を積み上げることで、安定的な業績拡大を目指す方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

デジタルサービス領域の「オフィスサービス」の成長についてです。2022年度から2025年度の売上、営業利益の推移は、ストック売上が3,000億円から3,800億円で、年率8%以上の 成長で営業利益は430億円以上のプラスを見込んでいます。 引き続き、各地域の顧客基盤、強みを生かした施策と、ストックにこだわった施策を展開して、2桁の増収を目指しています。
地域戦略について⽇本では、サポート・サービスが生み出されるスクラムシリーズ、RICOH kintone plusの拡大、 欧州では、アニュイティ型のサービスの展開、買収会社とのシナジーの最大化、北米では、従来のアウトソーシングビジネス をデジタル化して収益率を向上させていく、あるいはデジタルのワークフローをつなげてサービスの領域を拡大していきます。 また、グループ戦略では、グローバル共通のデジタルサービスの提供基盤を強化して、効率的にストック収益が生み出せる体制づくりを行う方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

2023年度の見通しです。上期の状況、特に8、9月の状況から下期の見通しを再検討した結果、2023年度第1四半期決算発表時から変更となりました。
売上高は2兆3,300億円と800億円の上方修正になります。営業利益は700億円で維持、営業利益率3%、ROEは5%の見通しとしています。
今回の見直しの中には、為替前提の変更があります。期初前提は、ドル125円、ユーロ135円でしたが、ドル142円、ユーロ154円(下期をドル145円、ユーロ155円)に変更しました。 また、下期にかけては、様々な販促施策を行っていきます。一部の競合との厳しい戦いも欧州ではありますが、そこについては、全面的に受け入れて戦うつもりはございません。大事なお客様、MIFについて維持するための限定的な対応に留める予定です。(株式会社リコー 2023年度第2次四半期決算説明資料_要約テキストより)
2023年度第2四半期オフィスサービス事業中心の事業成長と体質強化により、従来のオフィスプリンティング事業を主とした収益構造からの変革を加速し、収益性の向上を図りました。また、ジョイントベンチャー設立など、柔軟な生産供給体制を構築し環境変化への対応力を向上させていくことが読み取れます。
今後も、「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、複合機の販売を中心としたオフィス領域から現場・社会へと拡大すると同時に、企業のDX支援などもに価値を拡げ、デジタルサービスの会社への変革を進める方針です。

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