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【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により増収増益

【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により増収増益

2024.2.7

  • 決算・IR情報

  • 大手企業

代理店販売の戦略において、協業先の決算資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、2023年度第3四半期決算(2024年2月6日発表)より、株式会社リコーの動向と今後の展望を読み解きます。

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1.株式会社リコーの概要

株式会社リコーの事業内容についてご紹介します。

株式会社リコーは、顧客の”はたらく”に寄り添ったサービスやデジタル技術・デバイスを提供しています。2021年4月1日より社内カンパニー制を導入し、事業を下記のセグメントに分けて展開しています。

・オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」
・オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」
・商用印刷・産業印刷サービスを提供する「リコーグラフィックコミュニケーションズ」
・サーマル・産業プロダクツの製造・販売を行う「リコーインダストリアルソリューションズ」
・社会問題解決の新規事業を創出する「リコーフューチャーズ」

参考:株式会社リコー 事業分野

子会社であるリコージャパン株式会社は、リコー製品を中心とした商品・サービスの提供やシステムインテグレーションを行っており、大手パートナー企業として様々なベンダーと連携しています。

また、リコージャパン株式会社は約7,900人の営業担当者と約1,300人のシステムエンジニアを抱え、営業所数は366拠点と、強力な販売・開発基盤を持っています。また、A3レーザーMFP・コピー機の出荷台数は2位と高いシェア率を誇っています。

また、リコーグループ全体の方針として、2020年に「デジタルサービス会社への変革」をビジョンとして掲げ、デジタルサービス中心とした事業構造への変革を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

そういった中で、株式会社リコーは2020年6月より「RICOH Digital Processing Service」を提供しています。スクラムシリーズ(中小企業向けに既存アプリケーションと開発アプリケーションを組み合わせた「スクラムパッケージ」や、中堅企業向けに個別のシステム構築まで行う「スクラムアセット」を含む)により、主にバックオフィス領域での顧客課題に合わせたソリューション提供を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

2.2023年度第3四半期の業績

ここからは、株式会社リコーの2023年度第3四半期の業績について解説します。ポイントとしては上記の通りです。(株式会社リコー 2023年度第3四半期決算説明資料より)

2023年度第3四半期は、増収増益となりました。オフィスサービス事業の収益基盤となるストック売上が前年比17%増で順調に成長したことが要因の一つです。

一方で、MFP販売は競合の価格攻勢等に対する地域・市場ごとの販売策展開により引き続き台数は伸ばしましたが、市場在庫削減・生産調整を継続しました。これにより、リコーデジタルプロダクツの収益挽回には及びませんでした。また、サーマル事業は欧米での需要低迷影響が続き販売未達が継続しました。

業績としては上記の通りです。

当第3四半期の売上高は16,976億円(前年同期比11.1%増)、売上総利益は5,966億円(前年同期比10.7%増)販売費及び一般管理費は5,595億円(前年同期比12.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は302億円(前年同期比10.3%増) となりました。(株式会社リコー 2023年度第3四半期決算説明資料より)

ここからは、事業別の業績を読み解きます。まずは、オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」です。

売上高は3,584億円(前年同期比2.8%減)、営業利益は83億円(前年同期比216億円減)となりました。年度末需要に向けたA3MFPの生産量増加やコストダウン等により前年比は増益となりました。しかし、A3MFPの生産調整やA4MFP増産に伴う製品ミックス等により上期未達は挽回しきれない結果となりました。

今後は、東芝テック株式会社とのジョイントベンチャー組成に向けて準備をおこなっており、オフィスプリンティング事業を始めとした事業基盤を強化する予定です。(株式会社リコー 2023年度第3四半期決算説明資料より)

次に、オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」の業績を読み解きます。

売上高は13,413億円(前年同期比11.4%増)、営業利益は285億円(前年同期比92億円増)となりました。(株式会社リコー 2023年度第3四半期決算説明資料より)

上記が、リコーデジタルサービス内の「オフィスサービス」事業の業績です。売上高は2,759億円(前年同期比22.2%増)です。(株式会社リコー 2023年度第3四半期決算説明資料より)

オフィスサービス事業では、日本でスクラムシリーズの売上が引き続き伸長しました。インボイス制度対応などのバックオフィス系やセキュリティ関連の販売増加に加え、主に中堅業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも高い伸び率で伸長しました。また、サイボウズ株式会社と共同開発したクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も順調に伸長しております。(株式会社リコー 2023年第3四半期決算短信より)

3.2023年度 第3四半期の主要ニュース

ここからは、2023年度 第3四半期(2023年10月〜12月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。

3-1. リコーグループと育て上げネット、「若者向けデジタル支援プログラム」を実施(2023年10月6日公開)

株式会社リコー、リコージャパン株式会社認定特定非営利活動法人育て上げネットは、急速なデジタル社会の進展のなか、情報格差により就労に困難を抱える若者たちの支援を行う「若者向けデジタル支援プログラム」を、昨年度に引き続き本年度も協働で実施します。

昨年度のプログラムには東京と長野の若者40名が参加し、参加者の81%がプログラムに参加することで「就労に向けて一歩踏み出す勇気が出た」と回答し、73%が参加後半年以内に就労や専門学校への入学など次のステップへ進みました。

3回目となる今年度は、地域への展開を強化し、地域のステークホルダー(NPO、企業、行政)と連携し、各地域(開催地:東京、大阪、名古屋など)での若者の多様な働き方の実現を後押しします。

詳細:https://jp.ricoh.com/info/2023/10061

3-2. リコージャパン 代表取締役 社長執行役員の交代および重要人事異動のお知らせ(2023年11月15日公開)

リコージャパン株式会社は、2023年11月15日付にて代表取締役 社長執行役員の異動を行うことを決定しましたのでご案内します。またあわせて次の通り人事異動を行いますのでお知らせします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2023/11153

3-3. リコージャパン、J.D. パワーのサーバー保守サービス顧客満足度調査で9年連続第1位の評価(2023年11月16日公開)

リコージャパン株式会社は、CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンが実施した2023年サーバー保守サービス顧客満足度調査において、9年連続で第1位と評価されました。

詳細:https://jp.ricoh.com/info/2023/11161

3-4. リコージャパン、J.D. パワーの2023年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査 コピー機/プリンター部門で第1位の評価(2023年12月1日公開)

リコージャパン株式会社は、CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンが実施した2023年J.D. パワー 2023年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査 コピー機/プリンター部門において、第1位(※同率1位)と評価されました。

詳細:https://jp.ricoh.com/info/2023/12012

4.今後の取り組み

今後の展望として、リコーグループ全体の目標は上記の通りです。業績としては、2025年度には営業利益1,300億円、ROE(自己資本利益率)9%超えを目指しています。また基本方針としては3つのテーマを定めており、下記の3点に注力していく方針です。

①地域戦略の強化とグループ経営の進化
②現場・社会の領域における収益の柱を構築③グローバル人材の活躍

株式会社リコー 第21次中期経営戦略より)

上記がセグメント別の業績目標です。2023年9月6日にリコーグループ統合報告書2023が公開され、財務目標が修正されました。

20次中計発表時(2021年3月)は、2025年度の財務目標について営業利益1,500億円、ROE10%超と示していましたが、目標を修正しました。昨今の不測の経営環境変化やオフィスプリンティング事業の消耗品売上高の回復が当初想定していたほど見込めないことなどを考慮し、目標達成の時期が将来にずれ込むと判断したためです。

ROE10%超の実現については継続して目指します。同時に、分野(ビジネスユニット)別の売上高・営業利益目標を一部見直しました。今後、オフィスのデジタルサービスを担うリコーデジタルサービスが全社の成長を牽引していきます。

さらに、現場のデジタル化として、製造や流通などの現場や社会へも成長領域を拡げ、お客様の“はたらく”領域においてサービスを提供する会社としてお役立ちするとともに、新たな収益の柱の確立を目指します。(リコーグループ統合報告書2023より)

第21次中期経営計画達成のための具体的な施策を読み解きます。2025年度に、デジタルサービスの売上は1兆4,800億円を目指し、内訳は青色のオフィスのデジタルサービスが1兆2,000億円、オレンジ色の現場のデジタルサービスが2,800億円と見込んでおります。

特に、このデジタルサービスの部分では、ストック収益の増加にこだわり施策を継続して実施し、効果を上げてきています。また、商用印刷分野ではオフセットからデジタルへの展開、サーマル事業の分野ではラベルレス等のデジタル化など、ストックビジネスにつながるデジタルサービスをグループとして実績、経験を積んできました。今後もストック収益を積み上げることで、安定的な業績拡大を目指す方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

デジタルサービス領域の「オフィスサービス」の成長についてです。2022年度から2025年度の売上、営業利益の推移は、ストック売上が3,000億円から3,800億円で、年率8%以上の 成長で営業利益は430億円以上のプラスを見込んでいます。 引き続き、各地域の顧客基盤、強みを生かした施策と、ストックにこだわった施策を展開して、2桁の増収を目指しています。 

地域戦略について⽇本では、サポート・サービスが生み出されるスクラムシリーズ、RICOH kintone plusの拡大、 欧州では、アニュイティ型のサービスの展開、買収会社とのシナジーの最大化、北米では、従来のアウトソーシングビジネス をデジタル化して収益率を向上させていく、あるいはデジタルのワークフローをつなげてサービスの領域を拡大していきます。 また、グループ戦略では、グローバル共通のデジタルサービスの提供基盤を強化して、効率的にストック収益が生み出せる体制づくりを行う方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

2023年度の見通しです。2023年度第2四半期決算発表時から変更となりました。

売上高は2兆3,000億円と300億円の下方修正になります。営業利益も600億円に下方修正、営業利益率2.6%、ROEは4.5%の見通しとしています。

また、通期の想定為替レートについては当第3四半期連結累計期間の実績を反映しました。(株式会社リコー 2023年第3四半期決算短信より)

4.まとめ

2023年度第3四半期オフィスサービス事業中心の事業成長と体質強化により、従来のオフィスプリンティング事業を主とした収益構造からの変革を加速し、収益性の向上を図りました。また、柔軟な生産供給体制を構築し環境変化への対応力を向上させていくとともに、現場でのデジタルサービス領域において新たな収益の柱を構築していくことが読み取れます。

今後も、「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、複合機の販売を中心としたオフィス領域から現場・社会へと拡大すると同時に、企業のDX支援などもに価値を拡げ、デジタルサービスの会社への変革を進める方針です。

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