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【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により2桁の増収 

【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により2桁の増収 

2024.5.17

  • 決算・IR情報

  • 大手企業

代理店販売の戦略において、協業先の決算資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、2023年度通期決算(2024年5月7日発表)より、株式会社リコーの動向と今後の展望を読み解きます。

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1.株式会社リコーの概要

株式会社リコーの事業内容についてご紹介します。

株式会社リコーは、顧客の”はたらく”に寄り添ったサービスやデジタル技術・デバイスを提供しています。2021年4月1日より社内カンパニー制を導入し、事業を下記のセグメントに分けて展開しています。

・オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」
・オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」
・商用印刷・産業印刷サービスを提供する「リコーグラフィックコミュニケーションズ」
・サーマル・産業プロダクツの製造・販売を行う「リコーインダストリアルソリューションズ」
・社会問題解決の新規事業を創出する「リコーフューチャーズ」

参考:株式会社リコー 事業分野

子会社であるリコージャパン株式会社は、リコー製品を中心とした商品・サービスの提供やシステムインテグレーションを行っており、大手パートナー企業として様々なベンダーと連携しています。

また、リコージャパン株式会社は約7,900人の営業担当者と約1,300人のシステムエンジニアを抱え、営業所数は366拠点と、強力な販売・開発基盤を持っています。また、A3レーザーMFP・コピー機の出荷台数は2位と高いシェア率を誇っています。

そういった中で、株式会社リコーは2020年6月より「RICOH Digital Processing Service」を提供しています。スクラムシリーズ(中小企業向けに既存アプリケーションと開発アプリケーションを組み合わせた「スクラムパッケージ」や、中堅企業向けに個別のシステム構築まで行う「スクラムアセット」を含む)により、主にバックオフィス領域での顧客課題に合わせたソリューション提供を行っています。(リコーグループ経営統合書2020より)

2.2023年度の業績

ここからは、株式会社リコーの2023年度の業績について解説します。ポイントとしては上記の通りです。(株式会社リコー 2023年度通期決算説明資料より)

2023年度は、増収減益となりました。オフィスサービス事業が引き続き好調であったことが要因の一つです。

一方で、MFP販売は上期を中心に市場在庫調整・生産調整がありました。第4四半期に区切りをつけ下期の収益性は改善したものの、2023年度は減収減益となりました。また、サーマル事業は顧客の在庫調整・欧米での市況悪化等により減収減益しました。

業績としては上記の通りです。

2023年度の売上高は23,489億円(前年同期比10.1%増)、売上総利益は8,200億円(前年同期比10.0%増)販売費及び一般管理費は7,580億円(前年同期比13.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は441億円(前年同期比18.7%減) となりました。(株式会社リコー 2023年度通期決算説明資料より)

ここからは、事業別の業績を読み解きます。まずは、オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」です。

売上高は4,844億円(前年同期比1.8%減)、営業利益は173億円(前年同期比172億円減)となりました。下期はMFPの生産量が増加しましたが、上期の生産調整・製品ミックスの影響を挽回することはできませんでした。

今後は、東芝テック株式会社とのジョイントベンチャーとして、2024年7月1日にエトリアという会社を設立予定です。(株式会社リコー 2023年度通期決算説明資料より)

次に、オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」の業績を読み解きます。

売上高は18,528億円(前年同期比10.0%増)、営業利益は408億円(前年同期比95億円増)となりました。

特に、オフィスサービスの売上は8,432億円(前年同期比17.0%増)、ストック売上が3,484億円(前年同期比17.0%増)となりました。ITサービス・アプリケーションサービスを中心に成長したことが要因の一つです。(株式会社リコー 2023年度通期決算説明資料より)

上記が、リコーデジタルサービス内の「オフィスサービス」事業の業績です。売上高は4,110億円(前年同期比17.4%増)です。(株式会社リコー 2023年度通期決算説明資料より)

オフィスサービス事業では、日本でスクラムシリーズの売上が引き続き伸長しました。インボイス制度対応などのバックオフィス系やセキュリティ関連の販売増加に加え、主に中堅業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも高い伸び率で伸長しました。(株式会社リコー 2024年3月期通期 決算短信より)

3.2024年3月期の主要ニュース

ここからは、2024年3月期(2024年1月〜3月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。

3-1. 人事異動および組織変更のお知らせ一覧

3-1-1. 2024年7月1日付 重要人事異動のお知らせ(2024年2月6日公開)

2024年7月1日付で、次の通り人事異動を行いますのでお知らせいたします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0206_2

3-1-2. 2024年4月1日付 人事異動のお知らせ(2024年2月15日公開)

2024年4月1日付 人事異動について、お知らせいたします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0215_2

3-1-3. 2024年4月1日付 組織変更ならびに重要人事異動のお知らせ(2024年2月15日公開)

2024年4月1日付 組織変更ならびに重要人事異動について、お知らせいたします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0215_1

3-1-4. 2024年4月1日付 組織変更ならびに人事異動のお知らせ(2024年3月6日公開)

2024年4月1日付 組織変更ならびに人事異動について、お知らせします。

このニュースリリースの詳細はこちら(PDF):https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jpricoh/release/2024/pdf/03061.pdf

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0306_1

3-2. 東芝テック株式会社との業務提携並びに複合機等の開発・生産の統合に関する吸収分割契約の締結について(2024年2月6日公開)

株式会社リコーは本日、2023年5月19日に公表した東芝テック株式会社との業務提携並びに複合機等の開発・生産の統合に関する3件の適時開示を東京証券取引所に行いました。

両社は本日それぞれの取締役会において、リコーテクノロジーズ株式会社(合弁会社)との間の吸収分割契約を締結することを決議し、本日付で吸収分割契約を締結しました。これにより、これまで一部未定としていた吸収分割後の合弁会社の概要等が確定するとともに、一部の事項において、変更がありましたので、下記の通りお知らせいたします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0206_1

3-3. リコー、ERS GenomicsとCRISPR/Cas9ゲノム編集技術に関する非独占的ライセンス契約を締結(2024年3月13日公開)

株式会社リコーは、ERS Genomics Limitedと、ERSが管理するCRISPR/Cas9ゲノム編集技術特許に関する、日本と米国における非独占的ライセンス契約を締結いたしましたのでお知らせします。

CRISPR/Cas9ゲノム編集技術は、狙ったゲノム配列を簡単に改変できる革新的な技術で、幅広い分野で利用されている、創薬研究に欠かせないゲノム編集ツールです。

リコーは2022年にエリクサジェン・サイエンティフィック(以下eSci社)を子会社化しました。eSci社は、コア技術としてiPS細胞(※1)の高速かつ高効率な高速分化誘導(※2)技術とmRNA(※3)の設計・製造・管理技術を有しています。

今回、これらのコア技術とCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を掛け合わせることで、さまざまな遺伝的背景の患者に対する候補薬の作用機序の予測やより迅速で効率的なmRNAの設計を目指します。これにより、希少疾患も含めた信頼性の高い疾患モデル(特定の機能を向上させたり、低下させたりした細胞の作製等)の構築が可能になり、創薬開発期間の短縮や成功確率の向上につながることが期待されます。

リコーは、これまで培ってきたデジタル化技術やAI(人工知能)技術により、eSci社のコア技術の活用領域を拡大し、個別化医療(※4)や創薬・再生医療研究の加速を進めています。今後も、リコーはeSci社を通じ、創薬の現場におけるさまざまな課題を解決することで、創薬研究開発の加速に貢献してまいります。

(※1)iPS細胞:
人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)。人工的に作られた多能性の幹細胞であり、さまざまな種類の細胞への分化が可能。

(※2)分化(誘導):
ある細胞が別の細胞へと変化すること。

(※3)mRNA:
メッセンジャーRNA(messenger RNA)。DNAの遺伝情報を伝える役割を持つRNAで、タンパク質合成の指示書として機能する。

(※4)個別化医療:
疾患の状態や個人の体質(遺伝情報など)に応じた最適な治療を行うこと。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0313_1

4.今後の取り組み

今後の展望として、リコーグループ全体の目標は上記の通りです。業績としては、2025年度には営業利益1,300億円、ROE(自己資本利益率)9%超えを目指しています。また基本方針としては3つのテーマを定めており、下記の3点に注力していく方針です。

①地域戦略の強化とグループ経営の進化
②現場・社会の領域における収益の柱を構築
③グローバル人材の活躍

株式会社リコー 第21次中期経営戦略より)

上記がセグメント別の業績目標です。2023年9月6日にリコーグループ統合報告書2023が公開され、財務目標が修正されました。

20次中計発表時(2021年3月)は、2025年度の財務目標について営業利益1,500億円、ROE10%超と示していましたが、目標を修正しました。昨今の不測の経営環境変化やオフィスプリンティング事業の消耗品売上高の回復が当初想定していたほど見込めないことなどを考慮し、目標達成の時期が将来にずれ込むと判断したためです。

ROE10%超の実現については継続して目指します。同時に、分野(ビジネスユニット)別の売上高・営業利益目標を一部見直しました。今後、オフィスのデジタルサービスを担うリコーデジタルサービスが全社の成長を牽引していきます。

さらに、現場のデジタル化として、製造や流通などの現場や社会へも成長領域を拡げ、お客様の“はたらく”領域においてサービスを提供する会社としてお役立ちするとともに、新たな収益の柱の確立を目指します。(リコーグループ統合報告書2023より)

第21次中期経営計画達成のための具体的な施策を読み解きます。2025年度に、デジタルサービスの売上は1兆4,800億円を目指し、内訳は青色のオフィスのデジタルサービスが1兆2,000億円、オレンジ色の現場のデジタルサービスが2,800億円と見込んでおります。

特に、このデジタルサービスの部分では、ストック収益の増加にこだわり施策を継続して実施し、効果を上げてきています。また、商用印刷分野ではオフセットからデジタルへの展開、サーマル事業の分野ではラベルレス等のデジタル化など、ストックビジネスにつながるデジタルサービスをグループとして実績、経験を積んできました。今後もストック収益を積み上げることで、安定的な業績拡大を目指す方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

デジタルサービス領域の「オフィスサービス」の成長についてです。2022年度から2025年度の売上、営業利益の推移は、ストック売上が3,000億円から3,800億円で、年率8%以上の 成長で営業利益は430億円以上のプラスを見込んでいます。 引き続き、各地域の顧客基盤、強みを生かした施策と、ストックにこだわった施策を展開して、2桁の増収を目指しています。 

地域戦略について⽇本では、サポート・サービスが生み出されるスクラムシリーズ、RICOH kintone plusの拡大、 欧州では、アニュイティ型のサービスの展開、買収会社とのシナジーの最大化、北米では、従来のアウトソーシングビジネス をデジタル化して収益率を向上させていく、あるいはデジタルのワークフローをつなげてサービスの領域を拡大していきます。 また、グループ戦略では、グローバル共通のデジタルサービスの提供基盤を強化して、効率的にストック収益が生み出せる体制づくりを行う方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

2024年度の見通しです。

売上高は2兆5,000億円、営業利益700億円の増収増益を想定しています。MFPの生販の連携の立て直しを済ませており、既にMFPをしっかりと生産、販売する流れができていることが要因の一つです。

オフィスサービスは、引き続き成⾧していくと考えています。日本においてはスクラムシリーズが、また欧州では引き続き、買収した企業が成⾧を続けており、今回買収したNatif.aiと連携した新しいサービスを提供したいと考えています。(株式会社リコー 2024年3月期通期 決算短信より)

4.まとめ

2023年度はオフィスサービス事業中心の事業成長と体質強化により、売上高は2桁の増収という成長を遂げました。また、柔軟な生産供給体制を構築し環境変化への対応力を向上させていくとともに、現場でのデジタルサービス領域において新たな収益の柱を構築していくことが読み取れます。

今後も、「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、複合機の販売を中心としたオフィス領域から現場・社会へと拡大すると同時に、企業のDX支援などもに価値を拡げ、デジタルサービスの会社への変革を進める方針です。

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