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【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により増収 複合機の受注残の発生等により減益

【決算速報】リコー オフィスサービス事業の好調により増収 複合機の受注残の発生等により減益

2024.8.7

  • 決算・IR情報

  • 大手企業

代理店販売の戦略において、協業先の決算資料やニュースリリースから最新の動向を入手しておくことは必要不可欠です。本記事では、2024年度第1四半期決算(2024年8月6日発表)より、株式会社リコーの動向と今後の展望をまとめました。

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1.株式会社リコーの概要

株式会社リコーの事業内容についてご紹介します。

株式会社リコーは、顧客の”はたらく”に寄り添ったサービスやデジタル技術・デバイスを提供しています。2021年4月1日より社内カンパニー制を導入し、事業を下記のセグメントに分けて展開しています。

・オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」
・オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」
・商用印刷・産業印刷サービスを提供する「リコーグラフィックコミュニケーションズ」
・サーマル・産業プロダクツの製造・販売を行う「リコーインダストリアルソリューションズ」
・社会問題解決の新規事業を創出する「リコーフューチャーズ」
リコーグループ統合報告書2023より)

子会社であるリコージャパン株式会社は、リコー製品を中心とした商品・サービスの提供やシステムインテグレーションを行っており、大手パートナー企業として様々なベンダーと連携しています。

リコージャパン株式会社は約18,161人の営業担当者と約1,300人のシステムエンジニアを抱え、営業所数は358拠点と、強力な販売・開発基盤を持っています。また、販売・サービスパートナー社数は約3,100社であり、協業ITパートナーから高い評価を受けています。

また、リコーグループ全体の方針として、「デジタルサービス会社へのビジネスモデル」をビジョンとして掲げ、デジタルサービス中心とした事業構造への変革を行っています。(リコーグループ統合報告書2023より)

そういった中で、株式会社リコーは2020年6月より「RICOH Digital Processing Service」を提供しています。スクラムシリーズ(中小企業向けに既存アプリケーションと開発アプリケーションを組み合わせた「スクラムパッケージ」や、中堅企業向けに個別のシステム構築まで行う「スクラムアセット」を含む)により、主にバックオフィス領域での顧客課題に合わせたソリューション提供を行っています。(リコーグループ統合報告書2023より)

2.2024年度第1四半期の業績

ここからは、株式会社リコーの2024年度第1四半期の業績について解説します。ポイントとしては上記の通りです。(株式会社リコー 2024年度第1四半期決算説明資料より)

2024年度第1四半期は、増収減益となりました。オフィスサービス事業が引き続き好調であったことが要因の一つです。

一方で、MFP販売は、海上輸送手段の一部逼迫やリードタイムの長期化等に伴う複合機の受注残の発生等により減益しました。

業績としては上記の通りです。

2024年度第1四半期の売上高は5,743億円(前年同期比7.4%増)、売上総利益は2,071億円(前年同期比8.9%増)、営業利益は63億円(前年同期比37.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は77億円(前年同期比11.3%減) となりました。(株式会社リコー 2024年度第1四半期決算説明資料より)

ここからは、事業別の業績を読み解きます。まずは、オフィスプリンティングの開発・生産・OEMを行う「リコーデジタルプロダクツ」です。

売上高は1,220億円(前年同期比4.5%増)、営業利益は46億円(前年同期比36億円増)となりました。MFP生産量の回復、製品ミックス影響改善が要因として挙げられます。

また、東芝テック株式会社とのジョイントベンチャーとして、2024年7月1日にエトリアという会社を設立しました。(株式会社リコー 2024年度第1四半期決算説明資料より)

次に、オフィスサービスを販売する「リコーデジタルサービス」の業績を読み解きます。

売上高は4,500億円(前年同期比5.3%増)、営業利益は8億円(前年同期比80億円減)となりました。

オフィスサービス事業における、ストック売上は堅調だったものの、オフィスプリンティング事業における納入遅れおよびプロジェクト費用計上が要因として挙げられます。(株式会社リコー 2024年度第1四半期決算説明資料より)

上記が、リコーデジタルサービス内の「オフィスサービス」事業の業績です。売上高は894億円(前年同期比8.2%増)です。(株式会社リコー 2024年度第1四半期決算説明資料より)

オフィスサービス事業は買収したITサービスの会社のけん引やアプリケーションサービスの好調により売上が増加しました。加えて、円安の影響もあり、前第1四半期連結累計期間比 11.3%の増加となりました(同 0.8%の減少)。株式会社リコー 2025年3月期第1四半期 決算短信より)

3.2024年3月期の主要ニュース

ここからは、2024年3月期(2024年1月〜3月)に公開された主要なニュースリリースをまとめます。

3-1. 北米で展開するRicoh eDiscovery事業をArray社に譲渡(2024年4月3日公開)

株式会社リコーは、北米で展開するRicoh eDiscovery(電子証拠開示)事業を、リーガルサービスを提供するArray社に譲渡しました。

eDiscovery(電子情報開示)とは、米国の民事訴訟において、証拠として使用できる電子データを特定および提供するプロセスです。リコーは、2012年から米国で、また2014年からはカナダでもRicoh eDiscovery事業を展開し、ISO 9001:2015の品質認証を取得した証拠・文書管理ソリューション、ならびに法律業界特有のニーズに対応した訴訟支援サービスを提供しています。顧客は、同サービスを活用することで、訴訟の際に、必要な電子証拠を素早く、簡単に提出することができます。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0403_1

3-2. 先進的なAI技術を持つ独スタートアップ「natif.ai」の全株式を取得(2024年4月22日公開)

株式会社リコーは、デジタルサービスにおける注力領域である「プロセスオートメーション(ビジネスプロセスオートメーション領域)」の強化に向けた成長投資の一環として、Natif.ai GmbHの全株式を取得しました。インテリジェントキャプチャーと呼ばれるAIを活用した先進的な画像認識やOCR(Optical Character Recognition)の技術の獲得によって、紙文書や手書き文書を含むさまざまなドキュメントからの情報抽出機能を強化し、幅広い業務プロセスにおいて自動化・高度化を実現します。

natif.aiは、2019年にドイツで設立されたソフトウェア・スタートアップ企業です。同社はインテリジェントキャプチャーと呼ばれるAIを活用した先進的な画像認識やOCR技術に強みを持ち、ドキュメント分類・データ抽出のサービスプラットフォームを提供しているほか、機械学習による高性能AIモデルや高度なOCR技術の研究開発を手掛けています。同社の技術は、請求書や受発注書、契約書など業務上のさまざまな文書において、手書き文字の読み取りや、非定形・非構造化文書からのデータの自動抽出などを可能にします。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0422_1

3-3. 人事異動および組織変更のお知らせ

3-3-1.人事異動のお知らせ(2024年4月25日公開)

2024年6月1日付で、次の通り人事異動を行いました。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0425_1

3-3-2.組織変更および人事異動のお知らせ

2024年6月1日付ならびに6月30日付で、次の通り組織変更および人事異動を行いました。

詳細:https://jp.ricoh.com/release/2024/0529_1

4.今後の取り組み

今後の展望として、リコーグループ全体の目標は上記の通りです。業績としては、2025年度には営業利益1,300億円、ROE(自己資本利益率)9%超えを目指しています。また基本方針としては3つのテーマを定めており、下記の3点に注力していく方針です。

①地域戦略の強化とグループ経営の進化
②現場・社会の領域における収益の柱を構築
③グローバル人材の活躍
株式会社リコー 第21次中期経営戦略より)

上記がセグメント別の業績目標です。2023年9月6日にリコーグループ統合報告書2023が公開され、財務目標が修正されました。

20次中計発表時(2021年3月)は、2025年度の財務目標について営業利益1,500億円、ROE10%超と示していましたが、目標を修正しました。昨今の不測の経営環境変化やオフィスプリンティング事業の消耗品売上高の回復が当初想定していたほど見込めないことなどを考慮し、目標達成の時期が将来にずれ込むと判断したためです。

ROE10%超の実現については継続して目指します。同時に、分野(ビジネスユニット)別の売上高・営業利益目標を一部見直しました。今後、オフィスのデジタルサービスを担うリコーデジタルサービスが全社の成長を牽引していきます。

さらに、現場のデジタル化として、製造や流通などの現場や社会へも成長領域を拡げ、お客様の“はたらく”領域においてサービスを提供する会社としてお役立ちするとともに、新たな収益の柱の確立を目指します。(リコーグループ統合報告書2023より)

第21次中期経営計画達成のための具体的な施策を読み解きます。2025年度に、デジタルサービスの売上は1兆4,800億円を目指し、内訳は青色のオフィスのデジタルサービスが1兆2,000億円、オレンジ色の現場のデジタルサービスが2,800億円と見込んでおります。

特に、このデジタルサービスの部分では、ストック収益の増加にこだわり施策を継続して実施し、効果を上げてきています。また、商用印刷分野ではオフセットからデジタルへの展開、サーマル事業の分野ではラベルレス等のデジタル化など、ストックビジネスにつながるデジタルサービスをグループとして実績、経験を積んできました。今後もストック収益を積み上げることで、安定的な業績拡大を目指す方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

デジタルサービス領域の「オフィスサービス」の成長についてです。2022年度から2025年度の売上、営業利益の推移は、ストック売上が3,000億円から3,800億円で、年率8%以上の 成長で営業利益は430億円以上のプラスを見込んでいます。 引き続き、各地域の顧客基盤、強みを生かした施策と、ストックにこだわった施策を展開して、2桁の増収を目指しています。 

地域戦略について⽇本では、サポート・サービスが生み出されるスクラムシリーズ、RICOH kintone plusの拡大、 欧州では、アニュイティ型のサービスの展開、買収会社とのシナジーの最大化、北米では、従来のアウトソーシングビジネス をデジタル化して収益率を向上させていく、あるいはデジタルのワークフローをつなげてサービスの領域を拡大していきます。 また、グループ戦略では、グローバル共通のデジタルサービスの提供基盤を強化して、効率的にストック収益が生み出せる体制づくりを行う方針です。(株式会社リコー 2022年度通期決算説明資料_要約テキストより)

2024年度の見通しです。

売上高は2兆5,000億円、営業利益700億円の増収増益を想定しています。MFPの生販の連携の立て直しを済ませており、既にMFPをしっかりと生産、販売する流れができていることが要因の一つです。

オフィスサービスは、引き続き成⾧していくと考えています。日本においてはスクラムシリーズが、また欧州では引き続き、買収した企業が成⾧を続けており、今回買収したNatif.aiと連携した新しいサービスを提供していく方針です。。(株式会社リコー 2024年3月期通期 決算短信より)

5.まとめ

2024年第1四半期はオフィスサービス事業中心の事業成長と体質強化により、売上高は業績を伸ばしました。また、柔軟な生産供給体制を構築し環境変化への対応力を向上させていくとともに、現場でのデジタルサービス領域において新たな収益の柱を構築していくことが読み取れます。

今後も、「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、複合機の販売を中心としたオフィス領域から現場・社会へと拡大すると同時に、企業のDX支援などもに価値を拡げ、デジタルサービスの会社への変革を進める方針です。

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