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1to1のパートナーサクセスによる新規顧客開拓。地方進出のための協業の方法とは?【前編】|株式会社SmartHR

1to1のパートナーサクセスによる新規顧客開拓。地方進出のための協業の方法とは?【前編】|株式会社SmartHR

2022.7.19

  • ベンダーインタビュー

  • アライアンス戦略

秋國:こんにちは、パートナーサクセスの秋國です。本日はクラウド人事労務ソフトSmartHRを提供している株式会社SmartHR様に来ています。今回はパートナービジネスを担当されている後藤様に、お話を伺いたいと思います。後藤様、よろしくお願いします。

最初に自己紹介をよろしくお願いします。

 後藤:SmartHR関西社でパートナーサクセスユニットを率いております。後藤と申します。入社したのは2020年の4月でして、そこから関西二府四県のアライアンス周りをやっていく中で、プロダクト特性がパートナーサクセスの取り組みに非常にマッチしていたので、それをスケールさせるために日々活動しております。

 秋國:ありがとうございます。

株式会社SmartHR 関西支社パートナーサクセス チーフ 後藤 達也
大学卒業後、マーケティングシステム提供会社にてWEBマーケティングの企画職や事業責任者を経験。その後、2020年4月にSmartHRに入社し、パートナーサクセスの立ち上げメンバーとして、パートナー企業の開拓からパートナー企業及び、パートナー企業を通したエンドユーザーのサクセス業務に従事。現在はチームのリーダーとしてメンバーのマネジメント、パートナー開拓など多岐にわたる業務を推進している。

1. パートナービジネスを始めたきっかけ

 秋國:今日は「SmartHR様が今後どのようにパートナービジネスを回していくのか」、「なぜ立ち上げてきたのか」というところの背景を伺っていきたいと思います。まず始めに、パートナービジネスのきっかけです。今直販はすごい勢いで伸びてらっしゃるイメージを持っているんですけれども、パートナービジネスを始めた理由やそのきっかけなどを伺えたらなと思っています。

後藤:他のエリアとは異なるかもしれませんが、私が入社してからの関西でのお話でいくと、大きく二点あります。

1つは地方での認知度がそんなに高くないということでした。CMの認知度が下がったことや、首都圏で思われているようなSmartHRのイメージとは違ったといった市況感のギャップです。もう1つはプロダクトの特性上、導入検討や継続利用に関して、社外のステークホルダーの方が関わるようなプロダクトであり、且つSmartHRもThe Model型の組織形態をとっていました。なので周辺のステークホルダー様と共有をしていきながら、ユーザー様に価値を届ける取り組みをできたらいいなと思って、パートナーサクセスを作ったという形です。

秋國:ありがとうございます。地方での認知度が高くないことに関しては、例えば直販の部隊を担当を地方に置くのもありかなと思っていて、御社だと視点の転換をされていると思います。さらにステークホルダーが多いということで、その結果、試験的に両方を展開されているということですか?

後藤:そうです。現在は、僕らの部署の立ち位置をThe Model型の後方支援部隊という風に位置づけてまして、マーケ領域からCS領域まで、自社のアプローチでは届かないような部分を、パートナー様のアセットを使ってKPIを押し上げていくような活動をしています。

秋國:ありがとうございます。パートナービジネスを立ち上げる時、何がきっかけで誰が始めたかでいくと後藤様が手を挙げられたみたいな感じですか?

後藤:入社した後のプロセスにも関わってきますが、元々支社立ち上げ時にビジネスサイドのユーティリティ職として、なんでも屋さんの立ち位置で採用いただきました。支社の採用もある程度進んできて、その中でまだ足りていなかったのがアライアンス領域だったというのが大きいです。

2. カスタマーサクセス領域での協業

秋國:ありがとうございます。最初はお一人でやられてたと思うんですけど、今の組織体制でいくと、どのように拡大されてきたんですか?

後藤:今は5名体制になってまして、メインの既存のパートナー様をより進行する活動は、私以外のメンバーにやっていただいています。パートナー様の種別もたくさんあり、すべて覚えきるのに結構時間もかかりますので、それ以外は私が担当しているような分け方になっています。

秋國:後藤様のところだと主に関西・大阪での5名体制ということですね。全社だと、何名様でアライアンスに取り組まれていますか? 

後藤:全社だと20名を超えるぐらいじゃないかなと思います。再販を推進していくチームもありますし、私のチームのように紹介を伸ばしていったり、社労士先生に継続利用をご支援いただくようなパートナー様と一緒に活動していくチームもあるという感じです。

秋國:ありがとうございます。その中でチームの構成に紐づくと思うのですが、パートナー様とプログラムでは、紹介、取次、卸(再販)みたいな形があると思うんです。その中でいくと、どういうプログラムで、パートナー様のカテゴリーや棲み分けがございますか?

後藤:大きく言うと、再販のスキームと取次・紹介のスキームっていうのがあります。それ以外のアライアンス領域で、給与計算を受け負われているようなアウトソーサーであったり、社労士様など、要はユーザー様からのニーズを、一緒にご支援いただくカスタマーサクセス寄りの領域で協業させていただいているイメージです。

秋國:その中でいくと、後藤様がメインで担当されているのが、紹介パートナー様ですか?

後藤:私の方では紹介パートナー様と社労士先生などの、サクセス領域に関係してくるパートナー様を担当させていただいています。

3. 相性の良いパートナーの探し方

秋國:ありがとうございます。一番最初の立ち上げの際は、紹介パートナー様を獲得するために何から取り組まれましたか?

後藤:もちろん、SmartHRの商材のお問い合わせが多いのですが、その中にもパートナーを希望されているお問い合わせも多かったので、その中からピックアップしていました。既に東京でも同じ時期に取り組みが始まっていたので、そのあたりで東京に契約で来ているような会社の、関西の支店を紹介頂いたりして、ひとまず進めてみようかといった形で動き始めました。

秋國:インバウンドでお問い合わせがくる中に埋もれてたりしますよね。

後藤:埋もれてます。 

秋國:The Modelの組織体系だとインサイドセールスの方が問い合わせを見て判断するので、漏れてるケースもあるなと思っています。私もSaaSベンダー様とお話する際は、インバウンドで来ているお問い合わせの中に絶対リストがあるので、見直したほうがいいですよとか、お客様に紹介したいです、っていう方々が一定いらっしゃるのでそこを見たほうがいいですよ、というところから始めています。それとは別にアウトバウンドでの活動も並行されてましたか?

後藤:並行してやってました。

秋國:アウトバウンドって、相性の良いパートナーを探すのが結構難しいじゃないですか。そこはどういう風にリストアップしていきましたか?

後藤:取次・紹介でパートナー企業様と事業を作るということにはなり得ないと思うので、パートナー企業様のコア事業に、プラスオンで弊社のサービスを紹介してもらう意義みたいなところが結構重要かなと思ってたんです

なので、紹介してくれるようなパートナー企業様のビジネスモデルであったり、弊社のサービスを紹介する意義が、どのようなロジックだとあるのか、ストーリー設計をまずは考えました。その上で、そのストーリーにマッチする企業様をリストアップしてアウトバウンドしたり、知り合いの方に紹介いただいたりしてどんどん広げていきました。

秋國:パートナーの開拓って、インバウンドの対応であれば体系ができると思うのですが、後藤様が仰ったアウトバウンドで見つけに行くことは、俗人的で相当特殊なスキルだと思うんです。おそらく再現性はないですよね。

後藤:再現性はないです。 

秋國:アウトバウンドの見つけ方の中で、色んなコミュニティに顔を出しに行くなどの一番泥臭かったところはどこですか? 

後藤:全部泥臭かったなと感じるんですけれども、一番大きな成果が出たのは人材紹介系の会社様です。初めに話をさせていただいてから契約締結まで一年ぐらいかかりましたが。

秋國:長かったですね。

後藤:そもそも人材紹介をメインとしている企業様なので、プラスオンで他社のサービスを紹介する意義を、役員の方々にも説明する必要があったり、大きめの人材系会社様だったので、トップの方が変わられたりなどして、方針変更結構相まってすごく時間がかかりました。

しかし、契約を締結できてからは毎日朝会に参加させてもらったり、リアルタイムで全部フィードバックする活動をやっていたので、月内だけでもグッと紹介件数が増えたこともありました

4. パートナーサクセスとしての役割とは

秋國:このパートナー様と組むことによって、ポテンシャルや伸びしろの見込みがあったからこそ1年間交渉し続けたのですか?

後藤:そうです。交渉のご担当の方もサービスのこと好いて下さっていたのは、もちろんありますし、人材紹介の会社様は基本的に人材エージェント様なので、ご紹介された方の内定や入社が決まるタイミングで労働条件通知書とか雇用契約書とかのやりとりをしているはずなんです。

それこそが弊社のプロダクトの入り口の部分になるんです。なので、この方が採用決まったタイミングで、「どういう風に手続きとかされてるんですか?実はちょっといいサービスがあるんですけど、聞いてみませんか?」みたいなストーリーはかなり親和性が高いっていう風に思っています。 

秋國:繋がりますよね。

後藤:そうなんです。そこで、ご挨拶も兼ねてそういう話ができると、企業様の効率化や時間の節約で、来期の採用計画などの営業活動の時間を創出できるようになりますと言った提案などができるようになります。そこのシンプルなメリットだけでなく、紹介する意義においても、すごくきれいなストーリーができているので、そのあたりはかなり引き上がったのかなと感じます。

秋國:パートナー様の人材会社様は、もともと外部の商品やプロダクトをお客様にご紹介されていたのですか?

後藤:もともと他のクラウドサービスとかではなく、人材紹介の兼ね合いでそういったサービスを紹介したりとかっていうのは既にありました。 

秋國:あったんですね。

後藤:採用系の面接のツールなどはご紹介されたりしてたみたいです。

秋國:そういうビジネスモデル的には人材会社様もされてたので、そこに新しくご提案するものがSmartHRとしてできるのかどうかの交渉だったんですね?

後藤:そうです。

秋國:そこはストーリー立てってすごく大事だなと思っていて、今仰られた、雇用や採用をされる時の話で「絶対SmartHRがその後に続くよ」といったストーリー設計は後藤様や御社からご提案をされていらっしゃるのですか?

後藤:これいけるんじゃないかっていうストーリーは私が考えています。

秋國:その時にご提案されるとパートナー様は、新しいワオ体験や確かにこれなかったよねみたいな気づきがあるんですか?

後藤:そうです。ストーリー自体には確かにって思っていただけることが結構多いんですけど、そこからじゃあ実際に一緒に取り組みをさせていただくまでの色んな承認をとっていくのは、パワーがかかるところだったなと思います。

秋國:SmartHRを取り扱ってく所にいかに担当の方が旗振り役として頑張って尽力いただいたというお話を伺っていると、単純にこのプロダクトを売ってもらうのではなく、パートナー様の事業がより伸びる提案の企画力の方が重要なのかなと思います。 

後藤:そうです。私は自身の役割をパートナーサクセスと位置づけているので、パートナーの担当者の方にも有益であり、収益が上がる以外の部分でのメリットを感じてもらえるようなパートナー様をたくさん増やしていきたいなと思っています。確かにそこの企画みたいなところに意義があるのかはすごく考えてます。

秋國:それで言うとパートナー様は、一年かけて企画もご提案されて合意に至ると、中長期的なお付き合いができますね。

後藤:そうです。メインはご紹介をしていただく文脈で初めのアライアンスは始まりました。しかし、個別の文脈では、導入を検討されているけれども、そもそも人が足らないというところでは、サービスのご検討と合わせて人材のご提案をさせていただいたりしました。また、新しい案件のソースには、弊社とは関係なくても弊社との取り組みの中で生まれてくることもあるので、そこに関しては良いアライアンスになってるのではないかなと思っています。

5. パートナーとの関係性構築

秋國:パートナー様にそこまで実感いただくのは、ある程度のリードタイムがかかると思うのですが、契約を頂いてから成果があがるまでに一番注力した取り組みはありますか?例えば、パートナー様に対するオンボーディングや育成、教育のところなどのお話です。

後藤:人材紹介の会社様も、銀行様のビジネスの範疇もそうなのですが、やはり1件目をどれだけ一緒にやるかが重要かなと思います。

バックオフィス系のアウトソースの会社様に全部丸投げしている会社だと、パートナーの営業担当の人たちが断られることも増えて、心が折れることもあると思うんです。なので、一件目を取るにはまずはそういう角度で、こう来たらこう切り返していきましょうといった事前準備や、それを一緒にずっと考えていく活動は特に時間をかけてやっていました。

秋國:パートナー様への販促物やコンテンツなどは、どのようなものをご用意されているんですか?

後藤:汎用資料をパートナー様向けに置きなおしたものや、ペライチのチラシなどです。また、プロダクトの特性的にも法改正であったり、タレントマネジメント領域、人材マネジメントをどういう風にしていくことが、従業員のエンゲージメントに影響を与えるのかなど、外部環境によって新しいドキュメントを作っていく必要があるプロダクト特性なので、マーケティングチームと協力して法改正のドキュメントを作ってお送りしたりは、細々とやっています。

秋國:最初に提供して終わりではなく、頻繁に販促物をアップデートしてご提供されているのですか?

後藤:そうです。ドキュメント販促物自体もそうですし、あとは弊社自身が事例記事を出してたりするので、以前紹介してたような企業規模であったり、業界や課題感が近しい事例が出た時に、そのURLを送ったりは不定期に出たタイミングでやっています。

秋國:鮮度が高いタイミングですか?

後藤:そうです。すぐそれを送る活動などはやっています。

秋國:そうすると内容がタイムリーであったり、お客様のニーズに合っているといった返信や反応もあったりするんですか?

後藤:反応はあります。

秋國:ありますよね。この頻度や鮮度が、皆様が仰るように重要だと思っています。パートナー様は、新しく取り扱った商品の売り方や紹介する際の切り口が分からないこともあると思います。一方で法改正は、必須項目ですよね。この切り口でいくと、今お客様にご提案しやすいですよっていったような、後押しできる支援体制は重要かなと思っています。

後藤:俗人化して、再現性が無いところはあると思います。地味なプロダクトアップデートなんだけど、社労士先生にとってはとても重要なCSVを良い感じに出力できるかなどの、プロダクトアップデートとかもあります 

秋國:重要です。地味ですけど。

このパートナー様に対して提供する頻度としては、コンテンツができたらすぐっていう感じですか?

後藤:そうなんです。キラキラはしてないけど、すごく有用なアップデートもあるので、そういうものは気づいた瞬間に送っています。

秋國:そういうのは、社労士の方から日々機能要望をもらってるんですか?

後藤:いいえ、機能要望を貰うことはありますが、どちらかというと、アップデートに対して誰が嬉しいかを考えています。

もちろんユーザー様向けのプロダクトアップデートではあるのですが社労士の先生や、給与計算を担当されているような会社様とかもすごく有用であるなっていうところを考えています。それを検知できるのはパートナー様に相対してる僕らでしかないと思うので、そこでパートナー様の立ち位置になったらどう見えるのかは意識して見ています。 

秋國:それは重要ですよね。お客様が求めていることは、ベンダーとしては理解しているけど、その中でパートナー様目線で嬉しいことって、なかなか抜け漏れていることが多いですね。誰が喜ぶかわからないようなことも、パートナー様に教えると、これだったらお客様にすぐ提案できるといったリアクションをいただいたりもしますよね。

後藤:そうです。なので、月一のアップデート情報などの定型的なコミュニケーションよりも、そういった不定期なコミュニケーションを取っていくことの方が、パートナー様との距離を近づけることができると思いますし、決まったタイミングでないほうがこちらからも連絡がしやすくなります。

秋國:定期的だとメルマガっぽくなりますよね。

後藤:定期的にしてしまうと、そうじゃないタイミングでの連絡がとりづらくなったりすると思うので、あえて不定期というか。

秋國:常にイレギュラーで、ちょうど今御社のことを思って送りましたみたいなタイミングですよね。

後藤:「そういえば前言ってた件で良い記事を見つけたのでまた送っておきます」のようなコミュニケーションです。

秋國:その方がリアクションは大きいですよね。

後編に続く)

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