パートナーとWebマーケティングの大衆化を目指して。ゼロからのパートナーサクセス立ち上げ|株式会社ベーシック【中編】
ベンダーインタビュー
パートナービジネス立ち上げ

本記事は、株式会社ベーシック社とパートナーサクセス株式会社の対談記事(中編)になります。株式会社ベーシック社のパートナービジネスの立ち上げに関する前編記事は、こちらから
⚠写真はセミナーの様子です。この記事は、後日ZOOMでインタビューした内容を文字起こししています。
株式会社ベーシック パートナーサクセス推進室 室長 林 侑平
Web専業広告代理店にてBtoB営業と運用の経験を経て、2011年、ベーシック入社。比較メディアのBtoB営業を中心に活動し、その後EC事業の事業責任者を経て、SaaSプロダクトの事業推進に役割変更。カスタマーサクセス部門の立ち上げからセールス部門の責任者を兼任後、パートナーサクセス推進室の立ち上げを推進し、現在に至る。
秋國:去年の夏頃は、パートナー数は片手ぐらいだったと思います。そこから、色々試行錯誤されていましたよね。しばらく経って、最近どうですか?と伺ったら、毎月数十件アポイント取れてます、というお話を聞いて驚きました。
昔は苦労されていましたが、今ではすごい勢いでパートナー開拓ができていますよね。そこではどういう探し方をされたんですか?
林:一番多いのはリファラルなんです。サービス自体はすごく優れていて、世の中の問題を解決できるものなので、1パートナー様にferret Oneを紹介すると、これだったらここに紹介できそうだなとか、これ本当いいサービスだよねといってくれるんです。そこで必ずやってたのが、他にご紹介いただけるようなパートナー様っていないですかと伺うことです。
秋國:素晴らしいです。それって、オンボーディングの一環でやってるような感じですか?
林:実際にお客様がferret Oneを使い始めて、ポジティブな反応が来た時に伺っているみたいな感じです。パートナー様からパートナー様を紹介してもらうっていう数珠繋ぎのような形です。
秋國:それもすごいですよね。
林:パートナー様に、「サービスが良いと思ってもらえたのであれば、ぜひエンドユーザーのお客様をご紹介いただきたいのですが、御社と同じようにこういうお客様を抱えている人、誰か知らないですか?」と聞くようにしています。そうしたら、すぐにご紹介いただける場合が多いです。
秋國:そこはすごく意外だなと思います。パートナー様からすると、ferret Oneを販売していく上での競合を増やしたことになると思うのですが、そこはどのようなスタンスで紹介いただくのでしょうか?
林:単純にサービスを広めることで、世の中の役に立つようなことがしたい、こういう世界を目指したいんだっていうことを、ちゃんとお伝えするっていうことですかね。
秋國:世界観が合致しているとか、握れている状態ってすごいなと思います。単純に報酬額など目先の売り上げでアライアンスを組んでしまうと、すぐ破綻してしまい、短期的な関係になってしまいますよね。
そういう同じ世界観に向かって、サービスを世の中に広めていこうという方が、より中長期でのスキームが上手くいくと思います。そうなると初期の立ち上げが少し遅かったとしても、非連続的に売上が増えていくと感じています。
林:まさに、本当にその通りです。あとは、社内の中でも特殊なのですが、オフラインの交流とかもすごく重要だと位置づけています。パートナー様とご飯を一緒にさせてもらったりとか、そのタイミングで色々話を深めていくと、そこに知り合いを呼んでくれたりとか、次の交流会をセットしてくれたりとか、そういった感じで繋がりが広がってるっていうのもあります。
秋國:当時、お話を伺っていた時に、パートナービジネスがうまくいってるベンダー様の担当者の方とか責任者の方に対して沢山ヒアリングをされてたのが印象的でした。いつの間にか色んな企業のパートナービジネスの責任者と、林様が繋がっているとすごいなと思っていて。あのリサーチ力というか、他社のいいところを真似る動き方はすごいなと思います。
林:これはどこまでお話していいのかすごく絶妙なのですが、立ち上げ当初、秋國様から色々コンサルティングを受けて、パートナービジネスってこういうものだよと、まずはこういうことやっていきましょうっていう話を頂いたと思います。でも、もっと科学できるんじゃないかとか、もっと正攻法があるんじゃないかっていうのを、僕が求めだしたんです。
秋國:素晴らしいです。僕の言葉だけに惑わされない感じ。
林:たまたま、知人経由で知り合った方が、そのパートナーサクセスをやられていて、その方が色々教えてくれたり、経験者を繋いでくださったんです。それで話してみたら、色んな気付きがありました。あとは秋國様にも繋いでもらったりとかして、10社から15社ぐらいお話を伺いました。
秋國:すごいです。成功とやっぱり失敗を、他者から学ぶっていうのが早いなと思いました。
林:その結果、僕が考えたことは間違ってて、アドバイスをいただいたことが正しかったっていうことにも気づけたりしました。例えば、最初の攻め方においての質か量かという話ですね。始めは、無駄にパートナー契約を増やしても意味がないんだ、という風に頭の中で思っていたんです。
秋國:質を追うタイプですよね。
林:そうです。でも、秋國様はまずは量だと言ってくれていました。
秋國:あの時の、腹落ちしてない感じの林様覚えてます。
林:それでいろいろな方に話を聞いてたら、ほとんどがやっぱり量が質を凌駕すると話されていました。まずは、しっかりパートナーの数がないと良いも悪いも判断できないし、どういうアクションを起こしたら案件をもらえるのかもわからないので、まずは量だと先輩方に教えていただいて。それでKPIもシンプルにしていく事が出来ました。
秋國:最初は、どういう企業がパートナーとなってくれて、自社のプロダクトを販売してくれるのかというペルソナ像が全くわからないケースが多いのですが、その場合、狭い範囲内で選択と集中をして、質を求めることは難しいなと思います。結果がない時は、検証する母数が少なすぎてしまうので、一旦量をとってみないと、どこが一番自分たちの相性が良いのかなというのが分からないなと思いますね。
林:なので、毎月10社ずつぐらいパートナー様が増えているのですが、当然、すぐに紹介に繋がるパートナー様もいれば、案件があれば紹介しますというパートナー様もたくさんいらっしゃいます。ただ、そうやって社数を毎月毎月増やしていくことによって、色んなチャレンジができるようになったっていうのが現状です。
秋國:でも、毎月10社開拓してくるっていうのもすごいなと思いますけどね。それも、まだほぼ1人の方がやっていらっしゃるんでしたっけ?
林:1人です。
秋國:すごいです。なので、開拓自体が10社だとすると、パートナーとの初期の交渉として、何件ぐらい商談されているんですか?
林:大体、50%ぐらいです。毎月20〜25件ほど商談をして、契約するのが10社といった感じです。
秋國:つまり、20社〜30社近くの新規のパートナー候補のアポイントを取られていて、今もまだ継続されているということですよね?
林:そうなんです。最近だと、インサイドセールス部からのパスも増えてきたので、少しずつ正攻法が見えてきました。
秋國:仕組みが回ってきたんですね。開拓する人と、パートナーのオンボーディングする人が一気通貫でできるとベストではありますが、やっぱり開拓する方が一番力を使うなっていうのは思います。
林:オンボーディングも、その子がやってるので。新規開拓とオンボーディングとを、両方やってくれてます。
秋國:そこのKPIっていう意味でいくと、初期の立ち上げKPIはパートナーの社数開拓で、今は一旦クリアしている感じですか?
林:社数開拓と、案件紹介数の2つです。そして、フィールドセールス部へのトスアップが、最終的なKPIです。
秋國:パートナー様からいただいた案件は、クロージングはフィールドセールスの方がやられるんですか?
林:そうです。開拓してオンボーディング、その後の一次商談まで僕らで行います。
秋國:そこまでやれるんですね。
林:いわゆるSQLっていう。ある程度条件がそろったものだけを、フィールドにトスアップしています。
秋國:ナーチャリングまで行うんですね。もう本当に相談になるかどうかまでを見極める感じですね。
林:それ自体は元々、営業をやってたメンバーなのでみんな、リソースは当然取られますけど。
秋國:普通にそうですよね。クロージングまで別に全然できるスキルを持ってらっしゃいますもんね。
秋國:ferret Oneでのパートナープログラムは、どういったものを設計されていましたか?
林:まず初めに行ったのは、紹介パートナーです。概要としては案件をご紹介いただいて、僕らが営業を行うという制度です。2つ目が取次パートナーです。これは、パートナー様が顧客のところまで行ってクロージングまで終えていただくものです。最後に、販売パートナーです。これも商流もパートナー様経由で、いわゆる卸売というような販売形式です。以上のこの3つを用意しました。
秋國:ありがとうございます。以上の3パターンのパートナー様は、The Modelでいう各役割に似てるなと私たちも思っています。紹介だとリード獲得の役割をしているパートナー様。取次だと、クロージングまでをするパートナー様。販売は、サポートやカスタマーサクセスの部分までを担ってくれるパートナー様、というような位置づけでお話することが多いです。
これも各企業の元々のビジネスによって、向き不向きがあると思っています。そのため、ただ紹介だけ、販売だけを行うなど偏りを持つよりも、御社のように3パターンを用意してみて、柔軟に対応できるような体制の方が望ましいと思っています。実際取り組んできて、この3パターンのうち、どんな制度に対するパートナー様の反応が良かったですか?
林:やはり販売パートナーに興味を持たれるパートナー様が多いというイメージがあります。初見のパートナー様は、当然「ferret Oneってどういう風に販売していくのか」、「ferret Oneを使ってどうサポートしていくのか」について勉強をしていく必要があるため、紹介パートナーから始めるケースが多いです。
秋國:ちなみに、最初に販売パートナーに興味を持たれる理由はどういった点なのでしょうか?
林:僕らのサービスの特徴的な部分かもしれませんが、いわゆるマーケティングを支援するツールなので、マーケティングコンサルとしてパートナーになりたいという方が多いんです。そうすると、自分たちがコンサルを行い、ツールはferret Oneっていう構造になるので、商流までパートナー様に持ってた方がサポートしやすいかなと思います。
秋國:まさにさっきの「カスタマーサクセスまで普段本業でやってるよ」「あそこにツールとしてアドオンして御社の商材を担ぎたい」という方々ですね。そこを見極めて、まずは紹介からやっていただいたほうがいいかもしれないというお話をされているのですか?
林:そうです。最初は我々がしっかり、営業・クロージングも含めて行うので、そこに同席していただきながら、どういう風に販売していったら売れていくのかをお伝えしています。その中で一緒に成長していくという体制をつくるために、紹介パートナーから始めています。
秋國:この場合、紹介パートナーで実績ができてくると、次に取次パートナーになれるんですか?
林:特に、紹介パートナーで何かをクリアしたら次は取次パートナーに、というステップを踏んでいるわけではないです。僕らとしては、最終的にエンドユーザー様がferret Oneを導入して成果を出していただくということが叶えばいいので、パートナー様のやりやすい方法に合わせて支援しています。
秋國:わかりました。紹介パートナー様の場合だと、年間何件ぐらいのお客様を紹介してくれたらいいなとか、その辺の設定はされてるんですか?
林:してないです。
秋國:そこは色々取り組んでみて、どのパートナー様がどのぐらい実績ができそうかなど、色々検証段階という形でしょうか?
林:そうです。とにかく今は、様々なルートで案件をご紹介していただくことに集中したいと思っているので、あまり細かい条件は設けていません。とにかくパスしやすい状態でご案内いただくために、パートナー様ごとにやりやすい形を取っていただいて、それをサポートしています。
秋國:取り組んでみて、なかなか時間がかかるなとか、立ち上がりが思うようにいかないなみたいなとか、課題感も多かったかなと思います。そのあたりの焦りなど、取り組んでみていかがでしたか?
林:当然、僕らも目標を持ってやっているので、焦りはあるのですが、パートナーセールスの取り組みを始める時に、多くの先輩方に話を聞いて、時間がかかることとその理由を沢山聞いていました。なので、うまくいかないことに焦るというよりも、一個一個着実に前に進むことを意識しています。
秋國:個人的にパートナービジネスは、形成するのに3年から5年ほどかかるというのが経験値としてあります。それまでは直販で事業計画をクリアしながら、ストレッチ部分をパートナービジネスで長期的に形成していき、3〜5年の時間をかけた後に、レバレッジが効いてくるという期待値があるように感じています。
林:長いですね。
秋國:長いですよね。なので、そんなに待てないというお声もすごいたくさん伺いますし、実際やってみると初年度で結果を出すのは、なかなか難しいという話もします。
林:ただ、僕は逆で、思ったより紹介してくれるんだなという印象です。そもそもパートナーセールスやパートナーアライアンスって、パートナーの方たちにとってメリットがないと、当然紹介してくれない構造だと思います。パートナー様のメリットは何かを考えた時に、自分たちのビジネスが売れていくっていうことが大前提だと思うんですよね。
そうした時に、他の企業様のサービスを売るというのは、絶対的に二番手になるんだろうなと思っていました。なので、そもそも紹介をしてくれるっていうこと自体が難しいことだと最初から捉えてたので、結果として思ったより紹介してくれるんだなっていう感覚です。
秋國:先程時間かかるというお話をしたばかりではありますが、契約したパートナー様に関しては、最速で結果を出した方がいいと思っています。これは単純に売ってほしいというだけでなく、パートナー様が販売締結・業務提携しお客様にご紹介などしたものの案件がなかなか成約に至らなければ、この商材は販売しづらいのではないかと思われてしまうんです。一度そう思われると、リカバリーを行うのはかなり難しいです。なので、まずは契約したパートナー様に1件でもいいので3ヶ月以内で受注するなど、成功体験を積んでもらうことが重要です。
次に、案件創出にいくのは時間がかかるかもしれませんが、一度受注した経験を積んでもらえれば、この商材は自分たちのお客様に売れるんだという認識を持っていただけるので、継続的な営業活動に繋がります。なので、他のパートナー様、ベンダー様のお話も伺っていると、やはり契約したパートナー様がいかに最速で実績を出すかというところに注力しているという声はよく聞きます。
林:案件の紹介をもらえるようにすることがファーストステップだったので、パートナーの契約種別やパートナープログラムの種類も柔軟にしていました。月何件以上紹介してもらうなどの目標設定もあえて置いていませんし、よくある、自社導入してくれないとパートナーになれないという施策もしていません。
その制度を無くして、とにかくマーケティングに困っているお客様がいたら紹介しやすい環境を提供するという事に注力してきました。現在は、約8ヶ月ぐらいパートナービジネスをやってきて、少しずつ次のステップに入りかけています。なので、まさに秋國様が仰ったような、紹介いただいた案件をしっかりクロージングへ繋げていく部分に、より意識を持って取り組もうとしているところです。
秋國:話を少し戻しますが、自社導入が必須ではないというお話を深掘りしたいと思います。他のベンダー様だと実践している方も多いと思うのですが、パートナーに自社導入してもらう理由としては、パートナー様が商材の知識がないとそもそも販売することが難しいためだと思います。
そういう意味では御社のパートナー様は、そもそもWebマーケティングのビジネスをされている方々がほとんどで知識も理解もあるため、販売するにあたってプロダクトを触る必要がそこまでなかったということでしょうか?
林:当然、近い領域のパートナー様も多いのですが、一概にそうでもないとも思っています。例えば、オフラインの広告を取り扱っているパートナー様は、そもそもデジタルに弱かったりするので、そもそもferret Oneっていうサービスはどういうものなのかの説明からさせていただくパートナー様もいらっしゃいます。
当然、ferret Oneはどういうサービスなのかということを、パートナー様により知ってもらうための取り組みは行っています。どちらかというと、ターゲットとなるお客様にまずは声かけてもらうことをお願いし、後に詳しい話は私達からさせていただくというスタートを切っています。
秋國:理解できました。顧客ターゲットに対するペルソナみたいなものをパートナー様にお教えし、案件のトスアップにまず集中してもらうということですね。これは当初から変えた部分ってあるんですか?
林:特に無いです。僕らも直販をやってるので、狙いたいターゲットっていうのは当然いますし、そのターゲットが抱えている課題感も常に整理しながらマーケティングを進めているので、それをそのままパートナー様にもご案内しています。ただ、例えばうちで言うと、サイトをリニューアルしたいとエンドユーザー様が言ったとしたら、ferret Oneを紹介してください、というわかりやすいアプローチはしています。
(次回へ続く)

代理店ビジネスのコンサル実績300社以上のパートナーサクセスは、国内PRM(代理店CRM)のパイオニアとして、パートナービジネスを伸ばす「PartnerSuccess PRM」を提供しています。
代理店・パートナービジネスの課題を一挙に解決できますので、まずは資料をダウンロードしてみてください。
記事一覧へ
記事一覧へ
製品資料と、代理店戦略に関する弊社独自のノウハウを無料でダウンロードいただけます。
お気軽にお問い合わせください
業務のご相談からサービスの機能・料金に関する質問まで、
お気軽にお問い合わせください。
代理店プログラムの課題についても相談頂けます。
お問い合わせ