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共創によるパートナービジネス立ち上げ。非連続成長のためのアライアンス戦略とは|株式会社マネーフォワード【前編】

共創によるパートナービジネス立ち上げ。非連続成長のためのアライアンス戦略とは|株式会社マネーフォワード【前編】

2022.3.23

  • ベンダーインタビュー

  • パートナービジネス立ち上げ

  • アライアンス戦略

秋國:こんにちは。パートナーサクセスの秋國です。

弊社では、パートナービジネスをこれから始めたい企業様やアライアンスに課題を持たれている企業様から数多くのご相談を頂きます。ご相談の中で「成功している企業様、SaaSベンダー様のお話を聞きたい」という声が非常に多く、今回は対談インタビュー第1弾として、株式会社マネーフォワードさんをゲストにお招きしています。

青山様、お願いします。

株式会社マネーフォワード パートナービジネス部 部長 青山 徹
立教大学経営学部卒業後、通信事業会社へ入社し、都内大手企業を中心にICTサービスを用いたソリューション事業に従事。その後、2015年よりマネーフォワードに参画し、2016年からは福岡支店の立ち上げ責任者として福岡へ赴任。2018年よりパートナービジネス部の立ち上げから責任者として戦略の立案から実行までを対応。

1. パートナービジネスを始めるきっかけは?

青山:こんにちは。マネーフォワードの青山と申します。BtoB領域のパートナービジネス部の責任者をしています。パートナーサクセス様とは、やり取りを複数回させていただいており、代理店ビジネス戦略について頻繁にお話させていただいていました。今日はよろしくお願いします。

秋國:かれこれ、もう1年半近くですかね。

青山:それぐらいですね。コロナ禍になった直後ぐらいからやり取りをさせてもらっています。

秋國:マネーフォワード様は、皆さんもご存知の通り、BtoC、BtoBでもすごい事業成長されていて、最近ですと、事業拡大のためにM&Aをされていますよね。

「グループとしてすごく伸びているな」という印象があり、直販でも伸びているイメージが強いです。その中で、なぜパートナービジネスを始めて今に至るのかみたいな背景と成長をお伺いしたいと思っていまして、まずきっかけ部分を教えて頂きたいと思います。

青山:もともと弊社は、社内外問わず、一緒にビジネスをやっていただける仲間とか、共創みたいなところを創業時からすごく大切にしていました。

そのため、「自分たちでできる」というところは、もちろん自分たちで行いつつ、私たちでは、声の届かないようなお客様にサービス内容を理解していただくには、「違う方からしっかりとうちのサービスを伝えていくことも大切だな」という風にずっと思っていました。

うちの直販だけでは、声が届かないという状況がありましたので、「パートナービジネスをやっていこう」というのが自然の流れで会社の中で発生してきました。

秋國:その時に、「誰がこれをやっていくか」みたいな問題があると思います。多くのSaaSベンダー様は、直販のトップセールスをアサインするとか、マーケの方をアサインするとか、「誰が担当しようか」という初期の問題があります。御社だと、そこはどなたが最初に立ち上げようと旗振りをされたのですか?

青山:うちは割と、自由な会社みたいなところがあるので、トップダウンで「誰かやれ」とかではなく、自然発生的に「これは大切だよね」って声を出していくと、次第にその人に権限が集まってくるみたいなところがあります。

私も、元々東京で入社して、福岡の支社を立ち上げるという時に責任者をさせていただいて、当時、九州エリアでのパートナーがすごく増えていったというか、「一緒にビジネスしよう」みたいな人たちにご協力を頂いていました。なので、比較的そこのパートナーに対しての「魅力・可能性」っていうのは、私が結構感じていたかなとは思っています。

秋國:それは東京で「何かやっていこう」っていうんじゃなくて、九州でいわゆる地方からの発信で、まずアライアンスに取り組んだということですか。

青山:そうですね。九州でもやりつつ、そういうお声は都内でも増えてきていて、会社としても「これはやったほうがいいよね」という流れになったのがきっかけになります。

秋國:「東京で立ち上げていこう」「会社としてやっていこう」っていうタイミングで、東京に戻ってきてちゃんと部として作っていくということですか?それは何年ぐらい前なんですか?

青山:これが、2018年に私が都内に戻ってきて、パートナービジネスの設計を始めたので、4年前です。

2. 兼任しながら組織を立ち上げる

秋國:4年って結構長いなと思っていて、これからSaaSベンダー様って結構「垂直立ち上げしていきたい」っていう方が多いんです。正直、私は結構難しいかなと思っていて、「3年~5年かかりますよ」ってよくお伝えするんですけど、なかなかその肌感って掴むのが難しいと思ってます。

そのため、実際に4年かかってきての経緯とかも今日は伺いたいと思っています。最初の組織体制という文脈だと、どういう役割分担で何人ぐらいで取り組まれたのでしょうか?

青山:組織体制としては、最初は「じゃあやろう」となった場合でも、人を潤沢にそこに張るみたいな組織ではないんです。なので、やりながら考えてみるみたいなケースがすごく多くて、アライアンスの組み方であったり、インセンティブのつけ方みたいなところも、当時は、1人とか2人とかで始めてみて関係者を巻き込んでいくみたいなスタンスがうちとしては一番特徴的かなと思います。

秋國:そしたら、1人、2人で始めてみて、「これは成功するかも」とか「新しいパートナー様候補ができたぞ」とかっていうタイミングで、人がどんどんアサインされていくみたいな感じですか。

青山:そうです。そこでもう専任というわけではなくて、兼任していただいて、直販の人が一緒にやるとか、場合によってはオペレーション担当の人が、1年間こっちで一緒に兼任をしてオペレーションを整えるとかっていうのをやってたりしています。

秋國:兼任の時って結構、社内で「なんでそのリソースを使うんだ」っていう議論も起こることが多くて、そこは、特に理解あるというか。

青山:理解はありました。そのため、そこは割とスムーズにいって。

秋國:そうすると、今は体制としてどんどん増えていくかなと思うのですけど、理想的な体制としては、何人ぐらいが今後望ましいとかってありますか?

青山:今期は、20名超えない状態でやっているんですけれど、本当に伸ばしていくとか、どんどんリソースをつぎ込んでいくみたいなところが、この1、2年では絶対に起こるとみているので、2、3年後には40とか50とか。このまま伸びていけば、社内のメンバーリソースをちゃんと張れるっていう状態になってます。

秋國:そうなると今、4年ぐらい経ってみて、今20人ぐらいってことですか?

青山:今は10人ちょっとです。

秋國:じゃあだいたい、1人2人から始まって、4年で10人ちょっと。

青山:来年では、20人を超えるぐらいって感じです。

▼株式会社ベーシック様のパートナービジネス組織立ち上げについてのインタビュー記事
パートナーとWebマーケティングの大衆化を目指して。ゼロからのパートナーサクセス立ち上げ|株式会社ベーシック【前編】

3. 偏らないパートナー戦略

秋國:すごい理想的です。ありがとうございます。

そこで最初、オペレーション部分っていう話もあったんですけど、パートナー様って色んな方々がいらっしゃるじゃないですか。業界とか会社によって、契約形態も変わってくると思うんですけど、御社だとよく私たちが申し上げているのが、紹介パートナー、取次パートナー、あと卸売する再販パートナーのパターンだと、御社はどう当てはめている状態ですか?

青山:紹介パートナー様は、うちの直販に案件を最終的にアサインをしていくので、いわゆるうちのサービスに興味を持っていただいているお客様にいかに「弊社と目線を合わせて紹介いただけるか」っていうやり取りをうちの部でやっています。

取次に関しては、そこの紹介の中でも、ある程度営業行為は出来る。そこから最終的な課金は「マネーフォワードで実施をしてください」っていう時には、そういった取次の型を組んでいる状態です。

再販に関しても、複数のパートナー様とやり取りをしているので、御社で見られている取次と紹介と卸売は、うちは全部対応している状態です。

秋國:凄いと思います。パートナー様を開拓する時に、紹介だけとか卸売だけとか結構偏ったプログラムを作られている場合もあって、そこで成功する場合もあります。しかし、それに合わないパートナー様を無理にそこに合わせるのも結構オペレーションが複雑になってきて、「あまり良くないな」と思っていたのでそこまで柔軟にできるのはすごいなと思ってます。

立ち上げの際、卸売とか紹介がある中で、活動方針とかKPIは、最初からこんなに整ってなかったと思います。パターンのプログラムとか、最初はこの中だとどこから始めたんですか?

青山:最初は卸売です。

秋國:卸売が先なんですね。

青山:卸売から、うちのパートナービジネスが実施をしてまして、もちろんパートナーっていう文脈で、会計事務所様とか士業事務所様は、私たちのまた別の部署の事業推進本部というところで活動しているので、それ以外の話でいうと、再販売になっていきます。

再販売の時にも、最初はやはり行動数っていうのをちゃんと担保しようとしていました。どのくらいのパートナー様を通じて、「直販でリーチできないお客様にリーチができるかが必要だよね」と話をした時に、いわゆるトスアップしていただいている、提案できている企業数をまずは追っていこうというところから始まった状態です。

4. やらないとわからないセグメントの分け方

秋國:案件の数であったりとか、このKPIの考え方ってすごい難しくて、代理店契約をする社数とか、その次は案件のトスアップ数があります。

今仰られた中でいくと、「直販でとれない層をとる」という考え方がすごい重要だなと思っています。当然、「これかぶっちゃう」「曖昧になってしまう」「直販でやれば儲かる」ってなるじゃないですか。「ここは届かないよね」というセグメントは、どう決められたんですか?

青山:「やってみないとわからない」っていうのが正直なところで、うちのマーケのオンラインのリード獲得って結構優秀だと私はみているんです。

ただ、やっぱり感度の高いお客様や「クラウドに興味があります」といういわゆるアーリーアダプター層がうちのサービスに問い合わせいただいている状態です。マジョリティの部分で「キャズムを超える」みたいなのがあると思うんですけど、あれに関しては完全に「パートナー様の後押しが必要だな」と個人的には思っています。

ですので、「誰かの後押しで、うちのサービスに興味を持っていただけるような方」っていう風にある程度ふんわり定義をして、最終的にはお客様が望む方法で提供すれば「それはそれでうちとしては良いよね」っていう考えです。直販でも代理店様から購入でも、「お客さんが望む方でいきましょう」というのは、会社としては統制が取れてます。

秋國:あまり案件がそこでぶつかることは?

青山:ないです。

秋國:それはすごいですね。本当にアーリーアダプター層と、マジョリティ層で結構分かれていますか?

青山:分かれているのが、やってみてわかったことです。

秋國:エリアの観点だと、首都圏とか政令指定都市は、直販の拠点を置いてとか、それが地方はやっぱり手が届かないからパートナー様が担当するなど、エリアの問題もあると思うんですが、結構今はオンライン主流になるとあまり関係ないじゃないですか。

青山:あまり関係ない気がします。

秋國:動画でもオンラインでも話せてしまうので、次に企業規模があると思っていて、エンタープライズとSMBのところでいくと、企業規模の分け方はありますか?

青山:あります。

うちの直販の本部は、全てのプロダクト開発とかと連携しているので、会計領域だと会計の本部があったりとか、給与勤怠だとそういった本部があって、そこで開発もマーケも直販もやっている状態なんです。

各本部間での、いわゆる線引きとか、「どっちがどうするんだっけ」みたいなところは、企業規模で分けている状態です。うちのプロダクトは、企業規模に応じて提案の可否とか、この状態だったら提案を「正直言うとまだメリットが出せません」という風に線引きをするケースもあったりはします。

秋國:直販の中でも、そういう企業規模によっての組織が分かれているんですね。

青山:そうですね。

秋國:本当にパートナー様は、先ほどキャズムの例でいった方が分かりやすいですね。

青山:わかりやすいです。「うちのサービスは、こういう企業規模には合致します」というのを最初にお伝えをして一緒に推進していくという流れになります。

秋國:では、あともう一つ業種カットでいくと、ここは直販で狙える、ここは直販狙えないみたいなのがあるんですか?

青山:これはあまりないです。SaaSプロダクトなので、比較的業種とか問わず、使われる方がどういう状態か、ちゃんとご利用頂けるのかだけで結構勝負になるのが今の感覚ではあるかなっていう状態です。

▼SaaS企業がキャズムを超えるための販売戦略がよく分かる資料
SaaSのセールスモデルにおける代理店戦略

5. CMによる認知拡大の影響

秋國:ちなみに最近新しくCMも始められたじゃないですか。あれは上の年代の方にもリーチできるのかなと思っていて、まさにマジョリティ層も見るんじゃないかなっていうもので。

青山:そうですね。やっぱりうちのサービスとかも認知されているかされてないかで、最初比較されるか、検討できるかどうかっていうのが分かれてくるので、そういう意味では結構認知を取りにいく。

「最初のユーザーを取るためのマーケティング活動をする」というのは、会社からしてみればずっと取り組んでいることですね。

秋國:仰る通りで、パートナー様も販売をしていくって言った時に、お客さんに紹介して、マジョリティ層のお客様に紹介していくと「何そのツール?」となるじゃないですか。

この時に、「確かにそれCMで見たことあるね」とかマーケティングで認知されていると、パートナー様も売りやすくなるので、本当にベンダーさんはマーケティング活動で援護していただいて、直販が届かない部分のお客さんはセールス部分でパートナー様が推すみたいな役割が、冒頭に仰られた協業とか、「一緒にやっていこう」って所がマッチするなと思ってます。

パートナービジネスの開拓っていうところで、じゃあ初めの部分でされたところっていうと、アウトバウンドで開拓していくところとインバウンドできた企業様とアライアンスを組んでいくパターンがあると思うんですけど、どっちの方が多かったですか?

青山:これは完全にインバウンドです。

パートナービジネスで言うと、うちがすごくありがたいことに、弊社のマネーフォワードクラウドサービスを、「うちの会社でも取り扱いたいです」という問い合わせをすごくいただける状態なので、プロダクトの認知が進むと、実はユーザーに対しての認知もそうなんですけど、パートナー様に対しての認知も増えるので、比較的インバウンドがくるっていうのが、今のうちの現状な気がします。

秋國:理想的だと思います。インバウンドが増えたっていうのは、実感としては18年からパートナービジネスをやられた上で、いつぐらいからそう感じられたんですか?最初からですか?

青山:これは、コロナ禍がポイントな気がしています。今までだと、コロナ発生前でリモートワークとかがあまり主流じゃないときは、「クラウドのサービスを扱いたいです」っていうベンダー様は少なかったかなと思います。

ですので、もちろん問い合わせが結構くるんですけど、それよりもリモートワークとかクラウドとか在宅勤務の重要性というのが、皆さんに浸透されたのがこのタイミングだったので、そのきっかけ以降が、すごく問い合わせが増えたなっていう状態になっています。

秋國:インバウンドでくるのが増えてくると「お互いバランスが良いな」と思っていて、アウトバウンドで当然していくのは直販もそうじゃないですか。手当たり次第にアウトバウンドしているとダメだから、エンタープライズとか狙いたい企業さんに対してあたりにいくっていうのは決めると思います。

ここは、パートナー様も同じで、「ここのパートナー様だったら売れるな」っていうところは、やはり当然アウトバウンドできっかけを作りにいくと思います。業種とかエリアも関係なく攻められるので、本当に幅広いパートナー様から「ご紹介したい」っていうお声が非常に多いのかなと思っているのですが、そこでいくと毎月どんどん増えているような感じですか?

青山:「パートナーとして組みたいです」っていう風にお問い合わせ頂いた時に、「うちとしても何かしら組める方法がないかな」っていう風に模索していった結果、紹介、取次、再販売・卸が、ちゃんとそれぞれが立ち上がっていったって感じになります。

後編へ続く)

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