共創によるパートナービジネス立ち上げ。非連続成長のためのアライアンス戦略【後編】|株式会社マネーフォワード
ベンダーインタビュー
パートナービジネス立ち上げ
アライアンス戦略

本記事は、株式会社マネーフォワード社とパートナーサクセス株式会社の対談記事になります。株式会社マネーフォワード社のパートナービジネスの立ち上げに関する前半記事は、こちらから
株式会社マネーフォワード パートナービジネス部 部長 青山 徹
立教大学経営学部卒業後、通信事業会社へ入社し、都内大手企業を中心にICTサービスを用いたソリューション事業に従事。その後、2015年よりマネーフォワードに参画し、2016年からは福岡支店の立ち上げ責任者として福岡へ赴任。2018年よりパートナービジネス部の立ち上げから責任者として戦略の立案から実行までを対応。
秋國:ちなみに、紹介から始まったパートナー様とか、卸のパートナー様って、途中でスイッチすることはあるんですか?
青山:あります。
秋國:紹介から卸にいくとか。
青山:変わったりとか、取次にしたり変わったりとかっていうのはあります。
秋國:これは線引きは、どういう風に決めてらっしゃるんですか?
青山:いわゆるThe Modelの形で、リードの創出からの商談。営業のクロージング、カスタマーサクセスやオンボーディングみたいな流れがあると思います。
最初の紹介いただける方は、前段のリード創出だったり、商談の実施っていうところをいわゆる「業務を実施いただいている」という風にうちは捉えているんです。それをリード創出とか、うちのサービスに興味を持っていただけている方を紹介いただくと、次第にうちのサービスの知識を付けて頂けるっていう流れを今は実感しています。
もちろん、パートナー様たちも紹介する時にサービスの知識を得なきゃいけないので、そうやっていくと、次第に自分たちでもうちのサービスを紹介できるようになって、受注までできるという風になれるかなと思っています。
紹介して頂き、その後、うちのサービスをちゃんとキャッチアップしていただくと、取次に進化していきます。そして、取次ができるようになっていくと、その後、自分たちでも請求行為ができれば、卸もできるという風なステップになってます。

秋國:この3パターンがあるときによく卸の場合だと、間に商流として入ってくるので、請求管理やっていただくじゃないですか。当然、SaaSだとストックビジネスになるので、そっちの方が報酬的には嬉しい。だから「再販、卸の方が良い」ってパターンをよく聞くんですけど、報酬だけでやってしまうとオペレーションがすごく煩雑になるので仰る通り、スキルレベルが上がっていって、本当にそれができるかどうかっていうのが重要かなと思っています。
このスキルを上げていく、パートナー様のオンボーディングだと思うのですけど、ここでやるべきことっていうと、勉強会とか研修会、あとは販促物とか、このあたりはどういう整備をされているんですか?
青山:これはですね。もちろん取次、卸、再販でそれぞれポイントが違うという風に思っているので、育成における力の入れ方は変わってきます。
当然、勉強会とか配布資料とかっていうのを共有していくんですけれど、紹介と取次に関しては、「うちがどういうお客様を理想としているかとかどういう状態であれば、お客様に対してのメリットが一番訴求できるか」みたいな社内の考え方を特にタイムラグなく伝えるっていうことが一番重要という風に思っています。
勉強会をしても、1週間後にうちのプロダクトの方針が変わるとかってのは全然あり得るので、どちらかというと、情報共有を特に強くしなきゃいけないっていうのが取次になっていきます。
秋國:じゃあ、1回勉強会とか何かするっていうよりも、逐一月に何回かそういうニュースというか、配信をしてるって感じですか?
青山:そうです。なので、割とここはアナログな方法で、毎週定例のミーティングを実施しています。
秋國:すごいですね。対面でちゃんとやるんですか?
青山:やっています。この1週間の弊社からのトピックスをちゃんと共有して、パートナー様が抱えている課題っていうのが取次紹介だと伺って、それに対して、例えば販促物なのか勉強会なのかっていうのを割と早くPDCAがんがんがまわしていくっていうのやっています。
秋國:結構社数が多いと、かなりパートナー様は大変ですよね。
青山:大変です。
秋國:なのでてっきり、結構その部分をテックタッチに寄せていって、メルマガ配信一斉とか、ここ見てねっていう掲示板用意するとか、それで終わりかなと思ったんですけど。
青山:そうではないです。
秋國:ハイタッチ。
青山:これは、取次のパートナー様も、卸、再販のパートナーさんもそうなんですけれど、ツールを渡して終わりとか、「こういうプログラムでやってください」と言っても、動くのが人なのであまりそこで自動的に完成するってイメージはうちは持ってないんです。
ですので、パートナービジネス部の考えとしては、最後は人がちゃんとコミュニケーションを正しくとって「うちの考えを常に最新のものを伝えていく」っていうような、通訳とか翻訳みたいな、そういう状態をずっと保っているという感じになります。
秋國:そうなると、実際に担当されているメンバーの方々とかのスケジュールって、パートナー様とのミーティングばっかりですか?
青山:そうなります。問い合わせが来たら、すぐ対応しないともちろんパートナー様に対しても失礼ですし、うちが求めているような枠組みになっていかないので、人のキャパシティが重要な感じになっています。
秋國:ちなみに、毎週とかこの頻度っていうのはパートナー様の自走できるレベルとか、これに応じて変えていくんですか?
青山:もう週一をデフォルトで、ちゃんとコミュニケーションをとろうという風に、取次紹介に関してはしてます。
秋國:それでは、もう1つ、卸の方はどうなんですか?
青山:卸は、これは案件が出てきた時に、注力してフォローしていくっていうことであったり、どちらかというと卸販売に関しては、こちらが、どちらかといったらシステム仕組みを整備していくっていうのが重要な考えになりますね。
秋國:イメージとしては属性って言い方なんですけど、若干違いますか?人というか、企業体というか。
青山:最終的に人になってくるので、あまり仕組みとかいわゆる情報共有ツールを整備しても、それだけでは成果は出ないよねっていうのはどっちも共通です。

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1to1のパートナーサクセスによる新規顧客開拓。地方進出のための協業の方法とは?【前編】|株式会社SmartHR
秋國:特に卸売の方だと、御社だとよくIT業界では、ディストリビューター様がいらっしゃって、私もよく「ディストリビューターという存在ってどういうことをやってくれる会社なんですか?」って相談をよくいただきます。多くの大手のディストリビューター様がいる中で、コミュニケーションというか、期待値はどのようなものをお考えですか?
青山:ディストリビューター様が存在しなければ、うちの再販は成り立たない状態です。これはSaaS系のサービスだと、特に重要性は増えるという風に私は思っています。
うちのサービスとか、SaaSサービスだと料金の体系であったり、月額サービス、年額サービス、従量課金、前払いとか複数あると思うのですが、それを各販売代理店様と個別に契約をしていくと、そこの管理コストであったり、コミュニケーションコストっていうのが結構すごいことになってしまいます。
そういう意味では、一つ共通のプラットフォームを販売店様とうちみたいなメーカーが持つことで、かなりコミュニケーションがスムーズになります。その結果、変なタイムラグが生まれなかったりとか、5年かかるところが10年かかったみたいな、そういうロスが減っていくので、ディストリビューター様をきっかけにメーカー側は提供する型を作ったりとか、コミュニケーションのベースを作っていくのは、すごく大切かなと思います。
秋國:ディストリビューター様との付き合いも、仰る通り管理コストを下げるっていうのもありますし、あと大手のSIerさんだったり、パートナー様、大企業様も多くいらっしゃるじゃないですか。
そこと個別に契約をしようとした際に、最近、SaaSベンダー様ってまだ社歴が浅かったりとか、資本力が無かったりすると、与信が通らないケースもあったりとかあるじゃないですか。
この辺の与信管理も含めてディストリビューター様と組むことによって全部クリアできるなと思っています。例えば、契約に対するこの取り扱ってもらうってことに対するハードルが結構下がるのと、その後の管理コストも下がるっていうのがあるので、早めに組んでおいた方がいいなと思いますが、どう思いますか?
青山:そんな気がしてます。
私たちも、いわゆる「共同の協業してもらう人たちを増やす」という意味では、ディストリビューターの方々がうちのサービスをちゃんと理解いただいて、「いいぞ」とか「一緒にやっていこう」って思っていただくと、その分、またファンが増えていき、ディストリビューター様の先の販売店様に対して、何かしら情報が伝わっていくっていう仕組みになっています。
なので、メーカー(ベンダー)側に関してはディストリビューター様とのコミュニケーションを取っておくほうがいいんじゃないかなと思っています。
秋國:コミュニケーションさえ取っておけば、メリットしかないということですね。ありがとうございます。この辺りは、ディストリビューター様という存在が未だ謎に包まれているところが多いので、こういうお声が聞けてすごく良かったです。
青山:本当にパートナー様と、100社、個別の契約書を結んで、100通りの提供方法、請求方法を自社で組めればその考えじゃなくてもいいかもしれないですけど、うちはそれは無理なので。
秋國:私も過去、経験としてあったのが、今はメールで納品するとか、請求書もメールとか電子系が多いじゃないですか。でもあれをやっぱり郵送でいただきたいっていう企業様も多くて、特に大企業様になってくると。これは、色んなオペレーションが発生すると破綻するなと。そこを巻き取ってくれるのが、ディストリビューター様だなと思っていて。
青山:そうですね。
「ファックスは絶対嫌です」とこちら側が販売店の人に言ったとしても、販売店様側はそれが一番いい方法で運用されているので、うちに合わせていただいたとしても、双方があまりメリットない感じになっちゃうっていうのを一番避けたい状態なんです。

秋國:ありがとうございます。ディストリビューター様が非常に重要な存在かなと思うのですけど、そのディストリビューター様も組織としては大企業だったりするじゃないですか。人が多いとか。そことのコミュニケーションの取り方というと、普段どういったことをされているんですか?
青山:これもまた紹介と同じで、とにかく会話します。
うちのサービスも紹介するんですけれど、ディストリビューター様にとっての課題であったり、業界のトピックスっていうのをちゃんと共有しあって、同じ方向のゴールを設定して稼働していくみたいな感じです。
秋國:例えばディストリビューター様の方々って、直接お客さんに売らないじゃないですか。あくまでもその下のパートナー様に対して、プロダクト認知を広げてもらうとか、取り扱ってもらうことを広めてもらうと思うんですけど、例えばじゃあディストリビューター様の営業の方々が100人、200人いましたといった時は、どんなコミュニケーションをとられるんですか?
青山:勉強会とか本当に短時間でも、ここもメーカー側がどういう人間が対応・担当しているのか顔が見えるだけでも安心感に繋がるので、なるべくZoomなどで紹介や挨拶をさせていただくのが始まりかと思います。
その上でベンダーが「売ってください、売ってください」っていうのもおかしな話で、ディストリビューター様側が持っている課題に対して、うちが何かプラスにできる動きがあるのであれば、しっかりと提案をします。無理に言ってもしょうがないので、ちゃんと課題を把握して、それに対して一緒に取り組めることを中心に進めてるっていう感じです。
秋國:そういった課題のヒアリングだったりとか、そういうのって頻度としてはどの程度されているのですか?
青山:これはディストリビューター様ですと、長くても月1ではコミュニケーションをとっていて、担当者ベースでは、週に2、3回はちゃんとコミュニケーションをとっているはずです。
秋國:いろんな担当者の方とか営業の方がいらっしゃるので、その中で「一番トレンドに合いそうだな」であったりとか、興味関心いただいている方々とまず動いてみるっていうのを繰り返しやっていくことになります。正直終わりがないですよね。
もう毎月というか、コミュニケーションを取り続けていって、取り扱ってもらうその下のパートナー様がどんどん増えていくっていうようなイメージですよね。パートナーさんがディストリビューター様の下で動いていただければ、パートナー様が増えてきた時にそこに対するコミュニケーションっていうのは、また同じく勉強会をして。
青山:やっています。最初の数件提案したいっていう時には、もちろんウェブで同席をしたりとか、個別に事前の共有とかいうのはやってるので、比較的なツールを渡して終わりではなくて、やっぱり人をかけてフォローしていくっていうのがベースにはなります。
秋國:わかりました。パートナー様が増えてくると、型が決まってないとその場その場の対応になりがちになると思います。今3パターン、紹介、取次、卸があって、会社がどんどん増えてきたっていう時に、この辺の組織というか、ここのパートナープログラムだったら、このメンバーをおくとか、そういうの割り当ての組織体制ですか?
青山:そうなります。営業側、いわゆるパートナー様と対峙するところでは、その3つで分けていて、一方でうちの中のオペレーションに関しては、そこの担当者を1人つけて、業務効率化とか元々無理のない組み方っていうのを、始める時からも入ってもらってやっている状態です。
秋國:分かりました。今までこの3つのパターンのプログラムでいくと、ここは成功したな、ここは課題があるなって言うのはありますか?
青山:それぞれやっぱりメリットがあるので、多分失敗っていうのはないはずなんですけど、立ち上げ方とか、それに対する時間っていうのは、「ちゃんと認識を正しく持たないといけない」というのは学びにはなりました。紹介に関しては、他のところでも紹介いただいたんですけれど、すごく紹介を頂けるんです。
となるとオペレーションがすごく大切で、もちろん商談した内容などもパートナー様にもフィードバックしていくので、それを一つ20秒削減するだけでも、数時間削減できます。ですので、紹介に関してはバックオフィスとそれぞれが直販に全部割り振るので、直販とのコミュニケーションっていうフローをちゃんと整えたらいけるって感じです。

▼株式会社ベーシック様へのパートナービジネス組織体制についてのインタビュー記事
パートナーとWebマーケティングの大衆化を目指して。ゼロからのパートナーサクセス立ち上げ|株式会社ベーシック【前編】
秋國:結構、パートナー様からのご紹介案件で、パートナービジネス担当の方が対応するケースが多いです。そこは御社は、オペレーションを組むことによって、紹介パートナーさんから案件は直販の方々がクロージングする。その時は数字の持ち方はどうしているんですか?
青山:そこは直販の本部に計上するように、社内のKPI設定をしています。
秋國:そうすると、パートナービジネス部としての成果というと、どこが評価されるんですか?
青山:最初は商談数や企業を紹介した数になっているんですけれど、The Modelの形でいうと、どう次に推移するかですよね。
秋國:それだとインサイドセールスというか、マーケのリード獲得みたいなところの役割ですか?
青山:そうでしたが、「じゃあそれを最後、受注までやっぱりパートナーも責任を負うべきだよね」という話から派生して、直販が営業した後のフェーズ、どういうお客さんだったかっていうところをちゃんと分類して、いわゆる有効的な商談を何件毎月作っていくっていうのを、彼らは動いてる状態になります。
秋國:まさにThe Modelを一つの部ですべて体現してるような感じですね。
青山:そうです。The Modelにパートナー様を掛け合わせて、ちゃんと成果が出るようにしていく取り組みをしている状態です。
秋國:このあたりは今すごい成功してるかなと感じるんですけど、手応えを感じ始めたのっていつぐらいからだったんですか?
青山:もちろん紹介パートナーをガンガン増やしていくみたいに、あまりプロモーションしてないんですけれど、増やし始めたのが2020年の4月ごろ。2年前ぐらいです。
秋國:まさにこの2年で一気に伸びてきたと思うので、またこれからの1、2年で、非連続で伸びていくようなイメージですか?
青山:そんな気がしています。
やっぱりSaaSとパートナー様の付き合い、関わり方っていうのが、今まで再販売、卸だけみたいな感じだったと思うんですけど、やっぱりSaaSベンダーは最後直販でとりたいみたいな要素もあると思うんです。
それはサービスが変わったりとか、プランが変更になったりとかっていうのがあるので、そういうアプローチの方法も絶対に必要だと思っています。その分、SaaSベンダーはThe Modelの形で営業しているので、そこに「どのようにパートナー様が掛け合わせることができるのか」というのをずっと立ち上げて科学しているって感じになります。
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売上9割のパートナーサクセス。全方位に拡販するための戦略とは?【前編】|ワークスモバイルジャパン株式会社
秋國:そうなると、最後にお伺いしたいなというポイントで、これから今期来期に向けてのパターンビジネスにおいてのマネーフォワードさんとしてのビジョンとか、「今後こういう拡大路線でいきたいな」というものを最後に聞かせていただきたいなと思います。
青山:元々、パートナー様と連携するってことで、マネーフォワードだけでは実現できないようなこととか、届けれなかったようなお客様に対してサービスを届けるっていう風なことを行っているので、先ほど仰られたような非連続な成長っていうのをパートナー様と一緒にやっていきたいなと思っています。
割とそこの型を作るっていうのが、やっぱり最初の2年3年はかかってきます。「大体型が見えてきたかな」っていう状態なので、これからはどんどん人を増やして、どんどんそこのパートナー様におけるSaaSプロダクトの存在感とかプレゼンスっていうのを、マネーフォワードからも出していきたいなって思っています。
ですので、SaaSプロダクトなので、代理店ビジネスができませんみたいなケースはすごくあると思うんです。やってみて分かったんですけど、すごく大変なんです。ですが、だからこそマネーフォワードはするみたいなスタンスでいるので、それを一緒にやれる人たちを今は増やしていきたいなと思っています。
秋國:ありがとうございます。まだSaaSでアライアンスで取り組んでいる企業様が少ない印象なので、まさに御社がそこで成功事例というか、お手本のように見えてくると、そこに続くベンダー様が増えるかなと思っています。僕らもアライアンスとして支援している立場としてはすごく嬉しいと思っているので、引き続きそこの情報はお伺いしたいなと思っているので、また情報をお教えください。
青山:わかりました。
秋國:引き続きお願いします。本日はマネーフォワードの青山様より、パートナービジネスの立ち上げから、今までの非連続でのパートナービジネスの成長というところのお話を伺いました。今後に関しても同じように、SaaSベンダー様でアライアンスに取り組まれている方々のお声をお伺いしたいと思いますので、引き続きお楽しみください。

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